番組では、佐藤さんの元気の秘密についても聞いていた。93歳にして背筋もピンと伸びて健康的な佐藤さんだが、運動どころか散歩もしないという。それなのに、なぜ──。

佐藤「自分の好きなように生きていると、こういうことになっているわけですよ。嫌なことはしていないわけでね。だから元気なんじゃないですか」
稲垣「ストレスがあると、ね」
佐藤「そう。したくないことをしなきゃならないでしょ、生きるってことは。だけど歳を取ってくると、『したくない』で通る。年寄りになると悪いことばかりじゃなくて、いいこともあるんです」

 放送されなかったが、実はこのやり取りには続きがあった。佐藤さんの言葉に稲垣が自分に言い聞かせるように、

「もうしたくないこと、するのはやめよう!」

 などと冗談交じりに話すと、佐藤さんは自分より50歳年下の稲垣を励ますように、諭すように、こう笑って返した。

「いや、若い時はそうはいかない。私だってあなたの頃は、講演したり、飛行機の中でも小説を書いて…。誰がそんなこと、好き好んでするものですか」

 その言葉で稲垣が前言を撤回。「ちょっと頑張らないと、われわれも」と笑顔で語った部分が放送で流れたのだった。

 本書でも耳が遠くなったと度々綴っている佐藤さんに、いつもよりも大きな声でゆっくりと語りかけた稲垣の優しさもにじみ、対談は互いに癒し癒されて、和やかなうちに終わった。佐藤さんは収録後、「吾郎さんは本当に感じのいい青年ねえ」としみじみと語ったが、インターネットでも、「さすが癒しの吾郎」「佐藤さんはSMAPウオッチャーか」「もっと見たかった」など、2人のやり取りに絶賛の声が上がった。

※女性セブン2016年12月22日号

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