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角居勝彦調教師伝授、「勝てぬ馬」をパドックで見分ける方法

調教師・角居勝彦氏

 今年の阪神ジュベナイルフィリーズには高レベルの馬が揃ったといわれるが、2歳牝馬にはまだまだ幼い仕草も目につく。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、馬券検討に多くのヒントを与えてくれるパドックでの見分け方をお届けする。

 * * *
 パドックを見て馬券を買う人が意外に少ないと聞きます。それぞれの流儀があるのでしょうが、競馬場に行ったなら、やはり見たほうがいいと思います。せいぜい10分足らずのことですが、さまざまな情報が周回の姿に詰まっているし、それぞれの馬の個性を見つけることで、より身近に感じることができます。

「見てもわからない」という人が多いようです。確かにパドックで「能力」を読み取ることはできません。が、その日の調子が今ひとつの馬を見分けることはある程度できると思います。つまり、勝つ馬を見つけ出すのは難しいかもしれませんが、勝てない馬を外すのはできる……。

 具体的には、落ち着いて周回できない馬。これは見ていても分かるはずです。騎手の指示にきちんと従わなくては競馬には勝てません。パドックで馬に指示をするのは引いている人間(主に厩務員)。その者のいうことに耳を貸さず興奮している馬は期待できません。

 同様に、鳴いたり色気を出したりする馬も集中力を欠いている。馬っ気を出す「私が一番強い!」という主張は幼さの裏返しで、じっと我慢できない証拠です。

 やはり我慢できる馬が強い。ガキ大将か優等生かということなら優等生タイプです。ガキ大将のほうが大きな可能性を感じさせるような気もしますが、調教を経ているわけですから、暴れるよりも我慢するほうが高レベルです。クラスが上がれば上がるほど、我慢の度合いが重要になってきます。

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