ライフ

原則は「恨みっこなし」 江戸の仇討ちは厳格なルールが存在

「仇討ち許可証」入手で合法的な復讐が可能に

 元禄赤穂事件(忠臣蔵)に象徴されるように、「仇討ち」は日本人の琴線に触れるものがあるようだ。しかし江戸時代の仇討ちには厳格なルールがあった。江戸東京博物館名誉館長で歴史学者の竹内誠氏が解説する。

 * * *
 尊属を殺害した者に対する“私刑”として復讐を行う仇討ちは、江戸時代には幕府公認の制度となった。討ち手が藩領の者なら、まず藩に届け出る。理由が幕府によって検証され、仇討ちが認められると、帳付けといって情報が記録されて、そこではじめて討ち手は藩を離れて移動することなどが許されたのである。

 仇討ちは長幼の序があり、子が親の仇を討つなど主に血縁関係がある目上の親族のために行われ、その逆は認められない。その他、討ち手と仇人には「恨みっこなし」が原則で、仇人の遺族が討ち手に対して仇討ちをする“重敵”や、返り討ちにあった討ち手の遺族が仇討ちをする“又候敵討ち”は禁止。仇討ちの連鎖は許されなかった。仇討ちをして良い場所も決められており、廓内や寺社仏閣などの境内では禁じられていたのも興味深い。

 本来なら自分の手で討つべき仇が、何らかの事情で公権力に捕縛され処刑される場合に、討ち手が斬り手を願い出るケースもあった。これは“太刀取”と呼ばれた。事前届け出制で細かいルールが定められたのは、強盗目的などの殺人で「実は親の仇だった」などと申し開きをするのを防ぐ目的もあった。その他にもこんなルールが存在した。

関連記事

トピックス

群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
審査員として厳しく丁寧な講評をしていた粗品(THE W公式Xより)
《「脳みそが足りてへん」と酷評も》粗品、女性芸人たちへの辛口審査に賛否 臨床心理士が注目した番組冒頭での発言「女やから…」
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情