アラフォーになり、友達は子育てで忙しく、私は彼氏もいない、仕事が充実しているわけでもない……。時間を持てあますようになり、一人飲みが増えました。実家の親ともギクシャクしていたから、家に帰りたくないという気持ちもあったんです。
とはいえお金がないから、小洒落たワインバーなどではなく、安い、いわゆる大衆居酒屋で。そういう場所には、キラキラした女子がいないから、むしろ気楽なんです。ちょっと都会で飲むと、リア充女子を目の当たりにして落ち込んでしまうので……。
■すがって幸せになれるなら、それでいい
何度か通っているお店に、吉田類さんみたいな一人飲みのおじさんがいて、ある時、話かけてくれました。私が「出会いがないから一人で飲んでいる」と言うと、今度、常連さんの集まりがあるからよかったらおいでよ、と。しらふだったら警戒したかもしれませんが、私もだいぶ出来上がっていて、もちろん行きます! と。
その店の常連に入れてもらったことで、新しい居場所が出来たような気がしましたね。知り合った人に別のお店を教えてもらって、そこにも知り合いができたりと、飲み仲間も増えていったんです。「単なる飲み仲間」、という関係性がすごく気楽だったんです。仕事も違う、趣味も違う、ただお酒が好きという共通点だけがある。何の利害もないから、もし人間関係がこじれたら、明日からそのお店に行かなければいいだけ。それはちょっと淋しいことだけど……、そういう場所を持つ自分は大人になったなぁと、自分に酔ったりもしました。
そうやってできた新しい居場所で出会ったのが今の旦那さんです。ひとまわり上のおじさんなんですが、なんだろう、飲み方がいいなと思ったんですね。あまり喋るわけでもなく、ニコニコと、誰とでも楽しそうに飲んでる雰囲気が。
聞いたら彼もバツイチで、10年以上一人暮らしだということでした。建築系の仕事をしていて、趣味は釣り。全く共通点はありませんでしたが、周りの常連さんたちの後押しもあって、ほどなく一緒に住むようになりました。この後押しが利いたと思います。私と彼だけじゃ進展しなかったと思う。お酒と周りの勢いに助けられました。でも、いつも酔っぱらって会っていたからか、私、彼の星座を聞くのをすっかり忘れていたんですよ!