国際情報

北京の高級クラブ摘発 逮捕者アルファベット発表で憶測

北京の高級ナイトクラブ摘発で大量拘束

 中国の首都・北京の治安を守る北京市公安局(警視庁に相当)はクリスマスイブ前日の12月23日夜、違法売春を行っていた市内3か所の高級ナイトクラブを摘発し、数百人を拘束した。その後、逮捕者のリストが発表されたものの、そこに書かれていた名前は漢字ではなく、アルファベットで発音表記されたものだった。

 このため、逮捕者の中に、経済界の大物や党・政府幹部も含まれているのではないかとの噂が乱れ飛んでいる。米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「多維新聞網」が報じた。

 摘発されたのは保利クラブ、藍黛クラブ、麗海名媛クラブで、いずれも最高級のクラブ。ネット上では「保利クラブなどには、高級コールガールが常駐していることはよく知られていた。このクラブは値段が非常に高くて、政府高官や経済界の大物経営者が出入りしている。北京もすでに『淫都(淫乱の都市)』となっている証拠だ」との書き込みがみられる。

 市民の関心は誰が逮捕されたかだが、北京市公安当局が発表した逮捕者リストでは、漢字表記ではないため、人物の特定が難しいのも事実。

 そのなかでも、ネット上では、これらのリストから「経済界の著名人やネットで頻繁に登場する知名人士、有名な女優」らの名前を特定して掲示板に書き込むなどしており、特定された本人がネット上でその事実を否定するなど、騒ぎが大きくなっている。

 中国では反腐敗運動の一環で、今回の大規模摘発が行われたとの観測も出ている。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は北京市の中国共産党幹部の話として、「王小洪・北京市公安局長は習近平国家主席の腹心であることから、これは習氏の直々の命令で行われた腐敗摘発だ。今後、裏付け捜査を経て、数か月後に逮捕者の名前が明かされるのではないか」との見方を紹介している。

 一方、多維新聞網は北京市の名門大学の大学院生が警察官に撲殺されたとみられる事件が絡んでいると指摘。事件に関わった警察官5人が摘発前日の12月23日付けで不起訴処分になったことから、習近平指導部が市民の目をそらせるために、24日夜に売春取り締まりに名を借りて、大物幹部を摘発したように見せて、警察の威信を回復させようとしたのではないかと報じている。

 いずれにせよ、今回の摘発で、どんな大物幹部の名前が出てくるのか、北京市民は固唾を飲んで見守っている。仮に、竜頭蛇尾に終われば、市民の警察への不信ばかりか、習近平指導部への不信感が増幅するのは不可避とみられる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト