「歌」や「食」とともにBS、CSで目立つのが旅番組。特に気になるのが、親子や兄弟で旅をするパターンだ。先日はBS-TBS『ふらり親子旅』で小林稔侍親子が北海道を旅した。人気の旭山動物園でシロクマがイワシを食べるところを見学した小林稔侍。その後入った店で息子たちとラーメンを食べながら、「あれっぽっちじゃ、シロクマは腹がふくれない」としきりに気にするのだ。なぜ、シロクマの腹具合がそんなに気になるのか…。それまで「小林稔侍一家」にまったく興味がなかった人でも、見ているうちに「俳優小林稔侍」ではなく「お父さん小林稔侍」がじわじわと面白くなってしまうのがミソ。よく見ると、この番組は、伊東四朗父子、野際陽子母娘、橋爪功父娘、笹野高史と四人の息子など、渋い大御所ファミリーが揃うのも特長だ。
『新チューボーですよ!』の締めくくりで堺正章は「これから22年続く番組は無理。90歳超えちゃう」と語っていた。大御所たちが今後、「何が何でも長寿番組に」というモードから、「これからは好きなことを仕事に」というモードになったとしたら、趣味性の高いBSやCSにどんどん進出する可能性は高い。2017年、BSやCSが大御所タレントの激戦区になる日はもう来ているのかも。