ライフ

長寿研究 離婚で死亡リスク3倍、がん患者にはいい人多い

長寿と性格は無関係ではない

 性格と長寿の相関関係をめぐっては、多くの研究成果が報告されている。日本人の死因1位のがんについても、性格は無関係ではないとする研究が複数ある。

 1979年にカリフォルニア大学の心理学者リディア・テモショック氏がメラノーマ(悪性黒色腫)専門のクリニックで、がんに関係する性格を調査した。すると「メラノーマ患者のほとんどが極端にいい人」であるとの結果が出た。この研究では、患者への面談調査によって、その性格を分類、分析していった。その結果、怒りを表に出さない、人付き合いに我慢強い、周囲の望む行動をとろうとする、などの特徴のある人が多数を占めたというのである。

「自分より相手を優先し過ぎる人に典型的なもので、自己抑制が強すぎることでストレスを溜め込み、免疫に影響すると考えられています。ただし現状では全てのがんではなく、メラノーマや乳がんなど、特定のがんで認められている」(精神科医で岡田クリニック院長の岡田尊司氏)

◆離婚すると死亡リスクが3倍になる

 2004年にコペンハーゲン大学を中心としたグループは、離婚した男性の死亡リスクがそうでない男性に比べて3.1倍高まると発表した。

 では日本ではどうか。妻のいる40歳時点の男性の平均余命は38.4歳(1995年)。これに対し離婚した男性では28.7歳と、なんと9.7歳も余命が縮まったのだ。データを示した岡田氏がいう。

「逆にいえば、家庭生活が安定した人は離婚した人より10年も長生きだったことになります。アメリカの心臓外科医、メイヤー・フリードマン氏が調査によって導き出した『真面目な人が長生きする』というメカニズムにも関わってきますが、そういうタイプの人は結婚生活が長続きしやすい。先ほど述べた対人関係での『愛着』が、家族との間でうまく働いていることも長生きすることの大きな原因だと考えられます」

 生まれつき与えられた性格を自分で変えることは簡単ではない一方、家族や同僚との関係から少しずつ変えられることもある。

 絆の結び方を考えることが、長寿につながる──「長生きと性格」の関係を追った諸研究からは、そんな命題が見えてくる。

※週刊ポスト2017年1月13・20日号

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト