ライフ

末期癌の医師・僧侶 「除夜の鐘」の意味を解説

医師・僧侶の田中雅博氏

 2014年10月に最も進んだステージのすい臓がんが発見され、余命数か月であることを自覚している医師・僧侶の田中雅博氏による『週刊ポスト』での連載 「いのちの苦しみが消える古典のことば」から、舎利佛の「一切の煩悩が永く尽きる、是を涅槃という」という言葉について田中氏が解説する。

 * * *
 花火や爆竹ではなく、静かに反省して新年を迎える。日本のお寺では大晦日に除夜の鐘を撞きます。鐘を撞いて、煩悩を撞き尽くすのです。「一切の煩悩が永く尽きる、是を涅槃という」は、雑阿含経(お釈迦様の説法を伝える仏教の古典)第十八巻の舎利弗諸説経にある言葉です。

 舎利弗は、お釈迦様の弟子で、シャーリという名の女性の子という意味の名前です。シャーリは鳥の種類で日本では九官鳥といいます。九官という名前の人が、自分の名前を呼ばせて、日本にこの鳥を紹介したのだそうです。

 舎利弗は、お釈迦様よりも年上で、他の多くの出家修行者と同様に不死を求めて修行していました。お釈迦様の最初の説法を聞いた5人の修行者が、順次理解して仏弟子となりました。

 その5番目の弟子アッサジに会った舎利弗は、お釈迦様の説法についてアッサジに質問しました。そしてお釈迦様が「不死」に目覚めたと確信し、友人の目蓮と共に、不可知論者(超自然的な問題に対して判断を中止した)サンジャヤの弟子250人を引き連れて仏弟子となりました。

 このとき舎利弗が聞いたアッサジの言葉は「物事は原因から生じ、その原因を、そしてその滅尽をも、私の師は説く」という内容でした。お釈迦様は苦の原因と滅尽を説かれたのです。

関連記事

トピックス

第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
ナンバープレートを折り曲げ集団走行する「旧車會」=[福岡県警提供](時事通信フォト)
《各地で増える”暴走”》駐車場を勝手に旧車會の集合場所とされた飲食店主「100台以上も…他のお客さんが入って来られん」と怒り
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン