「私くらいの年齢になれば、これまで重なり合わなかった個人の人生も、まるごと認め合える。だけど40代前後はどうしても自分の身長よりも1.5cmくらい背伸びしてしまうし、相手を見て自分より上か下かを比べてしまう。しかも女性の場合、シングルか既婚か、子供の有無、仕事など、若いうちは状況が全く違うから難しい」

 夫や子供がいたらいたで、その職業や年収、成績が悩みのタネになる。

「子供の中学受験に失敗した時は、同級生から『受験、どうだった?』って聞かれるのが嫌だったし、同級生の子供がいい中学に合格したという話も聞きたくなかった。子供が晴れて高校に合格するまでの3年間は、同窓会に行きませんでした」(55才・主婦)

 タレントの千秋(45才)は、情報番組『ノンストップ!』(フジテレビ系)で、同窓会に軽自動車で夫に迎えに来ないでほしいと言い、「来るなら見えないところに来てほしい」「すごくでかい車で来てほしい。服もヨレヨレだとダメ」と発言した。このコメントはネット上で非難を浴びたが、「現実はその通り」と同調する声も多数上がった。

 見栄やマウンティングに苦しむ一方で、お互いの昔の姿を知っている人に会うことは楽しく心弾むことでもある。女優・吉沢京子(62才)は、「10年前から少しずつ顔を出すようになりました」と話す。

「40代の頃はちょっととんがってたというのかな、『いいんじゃないかな、行かなくっても』と思っていたのですが、一度仕事で地元に行った時、偶然会った同級生に『今日やってるから来ない?』って声をかけられたんです。行ってみたらいいもんだなって(笑い)。運動神経が鈍くて、かけっこがビリだったとかまで知られているから、自分のことを隠しても仕方がないですよね。それぞれ家庭を持ち、社会的に変化はしているけど、芯の部分で通じ合うものがあるんです。彼らに会うときのリラックス感は、ほかの友達とはまた別のもの。心の鎧がとれるんです」

 たとえ何十年も会っていなくても鎧を脱いで近しい関係になれるのが同窓会の良さだ。2児の母で会社員の川崎佑子さん(仮名・52才)は、大学時代のテニスサークルの同窓会に頻繁に顔を出す。

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