スポーツ

錦織圭 「今年は違う」の根拠は会見時のあの癖

「今年は違う」ともっぱらの評判

 経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人をピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、テニスの錦織圭選手のメンタリティを分析。

 * * *
 今年の錦織圭は、これまでと違う。開幕戦となったブリスベン国際で準優勝して好スタートを切ると、続く全豪オープンでも、初戦で苦戦しながらも勝ち進んでいる。

 今年初めの『報道ステーション』(テレビ朝日)のインタビューで、全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、全米オープンの4大大会、いわゆるグランドスラムでの優勝について、松岡修造に聞かれると、「すごく近くに見えている」「できるかできないかではなく、いつ実現できるかな」と、明るくにこやかな顔で言い切った。

 そして「安定してプレーができてきて、粗さはだいぶ抜けてきた」と今の自分を振り返っただけでなく、松岡には、メンタルが90%までできていると語ったという錦織。

 そう、今年の錦織はメンタルが違うのだ。

 どこがどう違うのか。試合後の記者会見に、その違いがはっきりと表れている。

 錦織選手には、もともと鼻を触ったり、髪を大きくかきあげる癖がある。なかなか思うようなプレーができず苦戦した時などは、気持ちが落ち着かないのか、この癖が頻繁に見られてきた。

 試合運びが思うようにいかなかったり、対戦相手に苦手意識があった時などは、会見中、顔や首筋を触ったり、着ているTシャツの襟を触ったり、羽織ったパーカーのフードや襟を触ったり襟元を合わせたりと、頻繁に身体や服のどこかを触っていることが自然と多くなるのだ。

 これは思い出したくない不愉快なことや、うまくいかなかった苦い経験、不安にさせる物事や考えなどからくるマイナス感情を緩和させ、自分の気持ちを落ち着かせよう、なだめようとする「セルフタッチ」という仕草である。

 たとえ勝利しても、それが難しい試合であったならば、質問の受け答えをしながらも、後悔や反省が頭の中をめぐり、なんともいえないモヤモヤ感情が湧いてくるのだろうか。昨年の全米オープンでは、準決勝でアンディ・マレーに勝利しながらも、会見ではしきりにパーカーの襟やジップを触り、身体を右へ左へと動かしていた。

 錦織は、プレッシャーやストレスに対して、意識や無意識の中で生じた不快、いらだち、動揺といったマイナス感情が、そのまま仕草になって表面に出やすい選手といえる。だから、その試合がどんなに大変だったのか、精神的にどれだけストレスになっていたのかは、試合を見ていなくても、試合後の会見を見れば、ある程度把握できた。

 ところが、である。全豪オープン初戦、ロシアのアンドレイ・クズネツォフに3時間34分のフルセットで苦しめられた後の会見で、錦織は、いつもの癖をほとんど見せなかった。髪を大きくかきあげ、おでこをかく仕草をしたのは、クズネツォフのプレーについて「対応しきれなかった」と話した時ぐらいだ。

関連記事

トピックス

広末涼子(時事通信フォト)
《時速180キロで暴走…》広末涼子の“2026年版カレンダー”は実現するのか “気が引けて”一度は制作を断念 最近はグループチャットに頻繁に“降臨”も
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
前橋市長選挙への立候補を表明する小川晶前市長(時事通信フォト)
〈支援者からのアツい期待に応えるために…〉“ラブホ通い詰め”小川晶氏の前橋市長返り咲きへの“ストーリーづくり”、小川氏が直撃に見せた“印象的な一瞬の表情”
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた新木優子と元Hey!Say!JUMPメンバーの中島裕翔
《20歳年上女優との交際中に…》中島裕翔、新木優子との共演直後に“肉食7連泊愛”の過去 その後に変化していた恋愛観
NEWSポストセブン
金を稼ぎたい、モテたい、強くなりたい…“関節技の鬼” 藤原組長が語る「個性を磨いた新日本道場の凄み」《長州力が不器用さを個性に変えられたワケ》
金を稼ぎたい、モテたい、強くなりたい…“関節技の鬼” 藤原組長が語る「個性を磨いた新日本道場の凄み」《長州力が不器用さを個性に変えられたワケ》
NEWSポストセブン
記者会見に臨んだ国分太一(時事通信フォト)
《長期間のビジネスホテル生活》国分太一の“孤独な戦い”を支えていた「妻との通話」「コンビニ徒歩30秒」
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(EPA=時事)
《“勝者と寝る”過激ゲームか》カメラ数台、USBメモリ、ジェルも押収…金髪美女インフルエンサー(26)が“性的コンテンツ制作”で逮捕されなかった背景【バリ島から国外追放】
NEWSポストセブン
「鴨猟」と「鴨場接待」に臨まれた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま
(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《ハプニングに「愛子さまも鴨も可愛い」》愛子さま、親しみのあるチェックとダークブラウンのセットアップで各国大使らをもてなす
NEWSポストセブン
SKY-HIが文書で寄せた回答とは(BMSGの公式HPより)
〈SKY-HIこと日高光啓氏の回答全文〉「猛省しております」未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し、自身のバースデーライブ前夜にも24時過ぎに来宅促すメッセージ
週刊ポスト
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《独占スクープ》敏腕プロデューサー・SKY-HIが「未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し」、本人は「軽率で誤解を招く行動」と回答【NHK紅白歌合戦に出場予定の所属グループも】
週刊ポスト
ヴァージニア・ジュフリー氏と、アンドルー王子(時事通信フォト)
《“泡風呂で笑顔”の写真に「不気味」…》10代の女性らが搾取されたエプスタイン事件の「写真公開」、米メディアはどう報じたか 「犯罪の証拠ではない」と冷静な視点も
NEWSポストセブン