国内

例年より多いこの春の花粉飛散量 西日本では前年の約3倍

花粉の飛散はもう始まっている

 この春は、花粉症に悩まされる人にとって、いつにも増して厳しい季節になりそうだ。というのも、この春のスギ・ヒノキの花粉飛散量は、例年よりも増えるとみられているからだ。気象予報士・三ヶ尻知子さんはこう説明する。

「全国的に、昨年よりも飛散量の多い地域が増えます。理由は、昨年の夏が猛暑だったからです。スギ花粉の飛散量は前年夏の気象状況が大きく影響し、気温が高く日照時間が長いと増えるのです。特に西日本は台風の影響をあまり受けなかったこともあり、飛散量は多くなるでしょう」

 日本気象協会は、関東甲信と東北での飛散量は例年より少なめと見積もっているが、西日本では昨年よりも非常に多く、特に九州は前年比270%、近畿地方は前年比290%に増えるというから驚きだ。三ヶ尻さんによれば、早い地域ではすでに少量の飛散が始まっていて、ピークは西日本では3月初旬、東日本と東北では3月の見込みだ。

 こうなると、花粉症の人は大変だが「私は花粉症ではないので」という人も、安心はできない。この瞬間にも、花粉症になることも大いに考えられるからだ。日本医科大学医学部教授の大久保公裕さんも「花粉症を軽く見ないでください」と警告を発する。

「花粉が体内に入ってくると、それを外敵と見なした免疫細胞が、IgE抗体というものを作り、次の花粉の攻撃に備えます。そしてまた花粉がやってくると攻撃を開始します。その攻撃こそが、ヒスタミンなどの化学伝達物質の放出で、これが花粉症のさまざまな症状を引き起こします。

 まだ花粉症になっていない人は体内に花粉用のIgE抗体ができていないか、できていても発症してないだけ。いつ症状が出るかはわかりません。また、一度つくられて花粉症になると、簡単には治らず、症状はどんどんと重くなっていきます」

 今、花粉症に悩まされている人は全国で約3000万人いるといわれるが、その数は年々増えており、今後もっと増える可能性があるという。

 花粉症の主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、涙目など。今の時期に多い風邪やインフルエンザの症状とも重なるので、風邪なのか花粉症なのか迷う人もいるが、区別するポイントがある。

「風邪の場合、鼻水の色は黄色っぽくなりますが、花粉症の場合は透明か白色です。また、風邪の場合は目に症状が出ることはありません。花粉症の場合は目に加えて、耳の中がかゆくなったり、肌荒れや喉にイガイガ感を覚えたりする人もいます」(大久保さん)

※女性セブン2017年2月9日号

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン