国内

トランプ氏が他国恫喝すればするほど日本の存在感は増す

恫喝発言はいつまで続くのか(トランプ氏のFacebbokより)

 安倍晋三・首相が昨年11月18日に大統領就任前のトランプ氏にいち早く面会したとき、国内では“土下座外交”と批判があがったが、海外では「カミカゼ会談」と評価された。

 この1月、安倍首相はフィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムの4か国を歴訪した。いずれも対米貿易への依存度が高く、就任して1~2年の経験の浅い大統領や首相を抱え、保護主義を掲げるトランプ政権の動向を心配している国ばかりだ。

「今回の訪問先のオーストラリアとベトナムはTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加国で、トランプのTPP不参加表明による今後の対米貿易に不安がある。かといって中国マネーに依存するのはリスクが高いと感じている。フィリピンやインドネシアも事情は同じだ。

 安倍首相はトランプのTPP不参加表明後も、協定を国会承認して自由貿易体制を守る姿勢を国際社会に示したうえで、4か国を回って経済支援を申し出た。トランプの保護主義を恐れ、中国に脅威を感じるアジア諸国にとって世界第3位の巨大市場を抱え、自由で安定している日本がいまほど頼りにされている状況はかつてない」(拓殖大学客員教授の潮匡人氏)

 トランプが貿易相手に「関税をかけるぞ」と恫喝発言を重ねるほど、アジア全体で日本の経済的プレゼンスが高まっている。

※週刊ポスト2017年2月3日号

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