国際情報

挺対協は米軍基地問題を契機に日韓学生の共闘を深める狙い

反日学生たちは海外にもネットワークを広げようとしている

 釜山の日本総領事館前に置かれた少女像が、融和に向かいつつあった日韓を再び引き離そうとしている。政府や自治体の制止を振り払って像設置を進めたのは、市民団体「未来世代が建てる平和の少女像推進委員会(以下、推進委員会)」である。その主要メンバーは「わが民族がひとつに」という団体に加入している。どのような団体で何を目的としているのか。ジャーナリスト・織田重明氏がレポートする。

 * * *
 日本の公安関係者が語る。

「『わが民族がひとつに』は、2010年に当時の代表らが食糧支援として200t以上の米を携えて訪朝するなど、韓国で有力な親北団体のひとつです。市民運動に力点を置いていますが、北朝鮮の統一戦線部の強い影響下にあります」

 日韓関係悪化を企図した北朝鮮の工作の可能性を指摘する。さらに見逃せないことに、今回の少女像設置の背景に世界「慰安婦問題」ネットワークとでも言うべき学生組織が見え隠れする。その名は「平和ナビ」だ。

 ナビとは韓国語で蝶を意味する。日韓の当局は、元慰安婦らの支援活動をする挺身隊問題対策協議会(以下、挺対協)の下部組織と見なしている。

「ナビは、慰安婦問題に取り組む学生のネットワークで、名門の梨花女子大を皮切りに始まり現在は韓国国内に11の支部があります。月に一度ソウルの本部に支部の学生らを集め挺対協からの指示が伝えられており、署名集めや寄付金集め、さらには韓国各地で少女像の設置など、挺対協の手足となって動いています」(同前)

 メンバーの学生らは過激な活動も辞さない。2015年末の日韓合意直後には、建て替え中のソウルの日本大使館が間借りするビルに学生ら30人が押し入り、「韓日慰安婦交渉を無効化せよ」などと大声を挙げる騒動を起こした。

 韓国政府による撤去を警戒して日本大使館前の少女像の横で寝泊まりしているのもナビのメンバーらだ。

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン