その後、女優として大活躍することなった寺島は、2007年にフランス人のアートディレクター、ローラン・グナシアさん(49才)と結婚し、2012年に長男・眞秀くん(4才)が生まれた。
結婚会見で「男の子ができたら歌舞伎役者にしたい」と宣言していた通り、実際に眞秀くんには早くから歌舞伎の英才教育をはじめつつ、父の菊五郎にもその意思を伝えていた。
寺島はようやく“母として”歌舞伎界とかかわっていく道を見つけたようだった。「もし息子が本気で歌舞伎役者を目指すと言うなら、私は母として覚悟を決め、女優の仕事はセーブする」とまで周囲に語るようになった。
「2015年5月に眞秀くんは菊五郎さんに連れられて歌舞伎座デビューを果たしました。昨年、取材会で菊五郎さんが、『音羽屋の大名跡である“梅幸”を眞秀くんに継がせる』と発言した際は大きな話題になりました。“本流”である菊之助さんの長男・和史くんではなく、“ハーフの歌舞伎役者”である眞秀くんが大名跡を継げば、それは大事ですからね」(歌舞伎関係者)
今年5月の「團菊祭」(歌舞伎座)で眞秀くんは正式な初お目見えをする予定だ。その晴れ姿を寺島は誰よりも心待ちにしている。
今回の六本木歌舞伎は歌舞伎座や国立劇場で行う正調の歌舞伎とは異なる。だから寺島が舞台に立てたのだが、その演技には歌舞伎のプロたちも舌を巻いた。
「しのぶさんは花魁と盲目の少女の二役を演じます。実は昨年11月末の制作発表の時点ではリリーさんが脚本を書き上げておらず、上演直前まで振り付けが変わるなど、かなりバタバタの進行でした。それでも、彼女の身のこなしや立ち居振る舞いは見事の一言。女性そのままではなく、歌舞伎の女形を演じきっています。初めての歌舞伎の舞台とは到底考えられないレベルです。花魁の出来には、歌舞伎専門の演出スタッフも思わず息をのんだほど。しのぶさんの歌舞伎への執念を見た思いでした」(舞台関係者)