中村勘三郎一覧

【中村勘三郎】に関するニュースを集めたページです。

渡辺えり 芝居の話ばかりしていた中村勘三郎との思い出
渡辺えり 芝居の話ばかりしていた中村勘三郎との思い出
 映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』。今回は、女優の渡辺えりが十八代目中村勘三郎との思い出について語った言葉をお届けする。 * * * 渡辺えりは一九八七年のテレビドラマ『ばら色の人生』で十八代目中村勘三郎と共演。それ以来、友情関係を築いてきた。「本当に親友ですね。初めて会った時から気が合って、芝居の話を毎日していましたから。 楽屋でも話して、それでも足りなくて哲明さん(※勘三郎の本名)のうちまで行って喋っていました。芝居の話しかしていません。あれだけ芝居が好きで熱がある人も珍しい。凄く貪欲にいろんなことを聞きにきて、『こっちの方がいいんじゃない?』と言うと、すぐにその場で直す柔軟性もあって。 お会いした頃に哲明さんが言ってたのは、『歌舞伎以外の人を歌舞伎座に出す』『ニューヨークで歌舞伎をする』『テントで歌舞伎をする』の三つでした。できるのかな、と思っていたら、その三つとも五十を過ぎて実現しているんですよね。 テントについては、太地喜和子さんに唐十郎さんの芝居に連れていってもらってショックを受けたそうです。元々は歌舞伎もそういうものだったと。つまり、歌舞伎もかつては現代劇で、唐さんみたいにやっていた。だから自分もいつか──と考えて始まったのが平成中村座でした。 その時、『だんまり』のシーンを真っ暗にしてやっていたんです。でも、これは明るい中で所作を見せるシュールさが魅力で、リアルにやるなら、なくていいわけです。そのことをお話ししたら、『そうだね』って、次から変えてくれるくらい、私のことを信頼してくれていました」 舞台『有頂天作家』の東京公演は中止となったが、新橋演舞場で公演されるはずだった。「ここも哲明さんが誘ってくれて出た『浅草パラダイス』をはじめ、亡くなるまで何本もやった思い出深い劇場です。 地方からバスで楽しみに来ていただいて、凄く喜んでくださるのが嬉しいです。商業演劇のお客さんは『待ってました!』みたいな声がかかったりして、喜んでくださることがこちらにも伝わってくるんです。『有頂天作家』も思い出深い作品で。哲明さんと親しくなった頃に杉村春子さんとも親しくなりまして、いつか私の芝居に出ると約束してくれていました。その杉村さんに誘われて観たのが『有頂天作家』でした。初演は『恋ぶみ屋一葉』という題名で、杉村さんが素晴らしかった。 今回、杉村さんの役はキムラ緑子ちゃんがやるんですよ。私は初演では乙羽信子さんがおやりになった役です。 乙羽さんとは『おしん』で共演して、本当に良い方でした。印象的だったのは、おしんをいじめてきたことを乙羽さんに謝りにいくシーン。私のセリフは十ページあったんです。それを必死に覚えて、本番で澱みなく喋ったら、『いやあ、おとらさん、よかった。頑張ったわね』って拍手をくれました。 知的でリベラルな思想の持ち主で、『恋風』で森光子さんとやった時も『光ちゃんの引き立て役をやってくれて本当にありがとう』と楽屋まで来て誉めてくれたり。そんな乙羽さんを思い出しながら演じています」●かすが・たいち/1977年、東京都生まれ。主な著書に『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』(ともに文藝春秋)、『なぜ時代劇は滅びるのか』(新潮社)など。本連載をまとめた『すべての道は役者に通ず』(小学館)が発売中。※週刊ポスト2020年4月17日号
2020.04.09 07:00
週刊ポスト
“因縁”再び?
大竹しのぶ&宮沢りえ 因縁越え6年ぶり共演もコロナで微妙
「この春いちばん注目の舞台と言えば『桜の園』。有名なチェーホフの作品で何度も上演されていますが、なんと言っても、今回はあの2人が共演するんですから」(舞台関係者) あの2人とは、大竹しのぶ(62才)と宮沢りえ(46才)だ。4月4日に初日を迎えるが、数々の舞台をこなす2人が共演を果たすのは実に6年ぶりとなる。なお、12日までの11公演は中止が発表された。「しばらく共演NGといわれていましたから、ようやく解禁なのだと関係者はホッとしました。もともと大竹さんとりえさんは、中村勘三郎さん(享年57)も交えて、なじみのお寿司屋さんに一緒に飲みに行くなど仲がよかったのです。ところが、勘三郎さんが2012年に亡くなり、さらにりえさんが離婚してから関係がぎくしゃくしてしまった。大竹さんはりえさんの前夫とも仲がよく、“りえちゃん許せない”と周囲に話していたこともありました。仲間で集まる飲み会に、りえさんだけ誘わなかったこともあったとか」(演劇関係者) さらに劇作家の野田秀樹氏(64才)との関係も2人の溝を深くしたという。「りえさんはあの頃毎年のように野田さんの舞台に出演していて、彼からの信頼も厚かった。大竹さんがそれに嫉妬したといわれています。大竹さんと野田さんは事実婚の時期も長かったですしね…。大竹さんがりえさんの舞台を見て演技を酷評していたこともあり、不仲、共演NGといわれるようになったわけです」(前出・演劇関係者) そんな2人の関係の修復のきっかけは、2018年にりえが森田剛(41才)と再婚をしてからだという。「その頃には大竹さんも、りえさんとの不仲が噂になっていたことを知り、“私が大人げがなかった”と反省もしていたようなのです。それに、大竹さんは、松本潤さん(36才)や二宮和也さん(36才)、長瀬智也さん(41才)など、ジャニーズのメンバーと仲がよくて、共演もしてきました。今後、同じ舞台に立つこともあるでしょう。森田さんだってそうです。ですから大竹さん、いままでのことを詫びてりえさんに歩み寄ったようです」(前出・演劇関係者) 今回の共演は、大竹の方から声をかけ、それをりえが快諾することで実現したという。 大竹の役どころは、没落した貴族の女主人。娘を連れて出戻ったが過去にしがみつき現実を直視できないでいる。りえが演じるのはその娘の家庭教師だ。 女主人と家庭教師──2人の大女優がいったいどんな対決を見せるのか注目が集まるが、「このコロナ騒動で、上演が揺れているのです」(前出・舞台関係者)。 やっぱり共演にはハードルが…因縁の2人には思いも寄らないドラマがいつも待ち受けている。※女性セブン2020年4月16日号
2020.04.03 16:00
女性セブン
ゲイバーママが明かす文豪との交流 江戸川乱歩、水上勉など
ゲイバーママが明かす文豪との交流 江戸川乱歩、水上勉など
 各界の昭和スターたちが集った六本木の伝説のゲイバー「吉野」。この店で38年間ママを務めた吉野寿雄氏(88)は、芸能界だけでなく、スポーツ界や文壇にいたるまで幅広い交流を持っていた。三島由紀夫をはじめ昭和の文豪たちの“創作意欲”も掻き立てていたという吉野ママが、その交遊録を明かす。 * * *〈美術評論家の青山二郎、時代小説作家の村上元三など、名だたる文豪たちと交流があった吉野ママ。中でも、特に深い付き合いがあったのが三島だ〉 先生と初めて会った時、見た目がタイプじゃないから正直興味がなかったの(笑い)。小説家って知らなかったし、当時はまだ新人だったからね。でも毎晩、お店で顔を突き合わせて喋っているうちに親しくなって、『仮面の告白』(1949年刊)っていう作品を書いているって聞いて、あぁ小説家なんだって思ったのよ。 先生って豪快で、独特な笑い方をするの。お酒を飲んでは「ガハハハ!」って笑って、私たちのバカ話を楽しんでいたわ。〈三島のほかにも、文学界、芸術界から、そうそうたる面々が店を訪れ、吉野ママにしか見せない「素顔」を見せた。すでに還暦を超えていた作家・江戸川乱歩も豪快な飲みっぷりを披露していたという〉 乱歩先生は、十七代・中村勘三郎さんと「やなぎ」に来てくださっていたの。高名な作家だと知ってはいたけれど「おじいちゃん」くらいにしか思わなかった。 でも乱歩先生、本当に元気でね。お店に来ると豪快にお酒を飲みながら、ちょっと「助平」な話したり私たちのお尻をふざけて触ったりして、“まだまだ現役なのね”って思ったわよ。〈日本最初のゲイバー・新橋「やなぎ」のママにスカウトされた吉野ママは「やなぎ」で修業を積んだ後独立し、1960年頃に数寄屋橋に「ボンヌール」を開店する。その後、「吉野」に店を移してからも、名だたる文豪の来店は続いた〉 吉行淳之介先生もよく来てくれたわ。ある日、常連だった中村メイコさんが連れてきてくれたのよ。先生の話は小難しい内容ばっかりで、私あんまり理解できなかったの(笑い)。でも、女の人って、ああいう知的な人が好きなんでしょう。とにかくモテたわ。〈もう一人、吉野ママが親交を深めた作家がいた。水上勉だ。奇しくも水上は、三島と同じく金閣寺放火事件(1950年)を題材に小説を書いた一人。水上は『金閣炎上』で、三島の描いた「美の極致たる金閣寺への崇拝と反感」という観念的な放火説を真っ向から否定し、堕落した住職や仏教界への怒りと失望ゆえの放火だったとして物語を紡いだ。同じ題材を相反する視点で執筆した2人の作家が、吉野ママの元で交差していたのだ〉 水上先生は、銀座の女の子が連れてきてくれて。水上先生は優しかった。極貧で小さい頃に寺に預けられたり、ずっと苦労してきたでしょう。だからかしら、決して偉そうにしないの。いつだったか、小説で「吉野」を取り上げてくれたこともあったわ。「サービスがとてもいい」って書いてくださった。〈主義主張も職業も、まるで異なる人々が集った吉野ママの店。その「人間交差点」のど真ん中で、吉野ママはいくつもの出会いと別れを経験し、ドラマを目撃した〉 いま思うと、店の中には本当の意味での「平等」があったのね。スターも大作家も、男も女も関係ない。お金を払ってくれた人は、みんな同じお客さん。私がそんな姿勢でやってたから、人が集まってくれたのかしらね。その記録をこうして残すことができて、もう何も望むことはない。 天国に行ったら、またバーでも開こうかしらね。常連さんたちと一杯やってるから、よろしくね。取材・文/宇都宮直子※週刊ポスト2019年9月13日号
2019.09.07 16:00
週刊ポスト
『いだてん』、存在感が際立つ“Wしのぶ” 別役で再登板も?
『いだてん』、存在感が際立つ“Wしのぶ” 別役で再登板も?
 視聴率低迷に苦しむNHK大河ドラマ『いだてん』だが、注目すべきポイントは実は多い。その演技で存在感を見せているのは、大竹しのぶ、寺島しのぶという“Wしのぶ”だ。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * 大河ドラマ『いだてん』には、明治・大正期と昭和30年代、ふたつの時代をめまぐるしく行き来したり、語り担当の古今亭志ん生(ビートたけし、森山未來)が毎回出てくるなど、これまでの「大河ドラマ」とは一味違う特長がいろいろある。 しかし、『いだてん』が過去の大河ドラマと一番違うのは、登場人物がかなりのおっちょこちょいということである。そもそも序盤、「大日本体育協会」の嘉納治五郎(役所広司)はほとんどその場の勢いで「参加します!!」と日本のオリンピック初参加を決めてしまう。その嘉納先生に憧れる主人公・金栗四三(中村勘九郎)も、ストックホルム五輪に自腹で参加、8年後のアントワープ五輪の際には、結婚したこともひた隠しにし、勤務していた学校を勝手に辞めてしまう。 このほか、若き志ん生は浜松あたりでフラフラしてるし、四三の親友の美川(勝地涼)は浅草の遊女とワケありで四三の下宿に転がり込んでいる。おろおろ&うろうろ。戦国時代の物語だったら、全員、とっくに切腹か討ち取られていただろう。 そんな男たちのおろおろをどっしりした柱のごとく支えているのが、ふたりの「しのぶ」。四三の養母となった池部幾江(大竹しのぶ)と海外で女子体育を学んできた二階堂トクヨ(寺島しのぶ)である。 幾江は、地元熊本の名家・池部家を女手一つで取り仕切るゴッドマザー。いつも口をへの字にして、髪を結いあげ、和装で男たちににらみをきかせるその姿は、まるで「ひとり犬神家の一族」である。東京で「オリンピックバカ」生活を続ける四三の動向を知るたびに憤慨し、そのうっぷんを近所に住む四三の兄・実次(中村獅童)にぶつけにくる。「さねつぐぅぅぅぅ!!」 地に轟くようなこんな声を大竹しのぶが持っていたとは。あまりの迫力に実次は即座に平謝り。幾江から「まだ、何も言っとらん!!」と叱られる始末。宮藤官九郎の筆は、こういう場面で冴え渡る。 大竹しのぶといえば、1999年の大河ドラマ『元禄繚乱』で、勘九郎の父、故・中村勘三郎演じる大石内蔵助の妻・りくだったことを思い出す。しっかり者の嫁りくは、「しっかりなされませ」とどこかぼんやりした内蔵助のふんどしをきりりと締めつけていた。当時から大河の隠れた柱だったのだ。 一方、寺島しのぶが演じるトクヨは軽やかなダンスなど先進的な女子体育教育を推進しつつ、アントワープで惨敗した日本選手団を糾弾。丸眼鏡が三角に見える勢いでしかりつける。まじめに怒れば怒るほど、なぜか面白い。『アルプスの少女ハイジ』のロッテンマイヤーさんか。 こうなると気になるのは、昭和篇で、Wしのぶを超える「柱」が出てくるかということだ。昭和の主人公・田畑政治(阿部サダヲ)も偉業を遺したとはいえ、現場ではかなりのおろおろ男。きりりと引き締める存在がいないと、ドラマ全体が落ち着かないだろう。 もしかして、またしのぶが別の役で出てくるとか? 先日の回で、森山未來が志ん生一家の三人(志ん生と息子の金原亭馬生、古今亭朝太)をひとりですべて演じたのには、びっくりしたが、それを考えれば、しのぶ再登板などは、どってことない! しのぶはやります。どちらのしのぶも。
2019.06.02 16:00
NEWSポストセブン
平成24年 牛レバー生食禁止、ワイルドだろぉ、ロンドン五輪
平成24年 牛レバー生食禁止、ワイルドだろぉ、ロンドン五輪
 平成もいよいよ残すところ数ヶ月。「平成」という時代にはどんなことが起きていたのか? ここでは平成24(2012)年を振り返る。 国内では沖縄での観測以来25年ぶり、本州では129年ぶりに日本列島各地で金環日食が観測されたこの年。 経済では野田内閣が消費税率を2014年に8%、2015年に10%に引き上げる消費税増税法案を提出。 参院本会議で可決成立し、2014年4月から現行の8%となった。10%引き上げは2度にわたる延期の後、今年10月から施行となる予定。 食に関するニュースでは、厚生労働省が食品衛生法に基づき、牛のレバーを生食用として販売・提供することを7月1日から禁止した。6月下旬、焼き肉店等には、最後のレバ刺しを堪能しようとする人々が列をなした。 スポーツではロンドン五輪で日本勢が大活躍。男子体操の内村航平選手が28年ぶりに個人総合で金。卓球女子団体では福原愛、石川佳純、平野早矢香選手が銀を獲得。また、先日、現役引退を発表した柔道女子の松本薫選手も57kg級で金を獲得。合計38個と過去最多のアテネ五輪を更新する快挙となった。 8月20日、東京・銀座で行われた日本人メダリストによる凱旋パレードには、沿道に約50万人ものファンらが詰めかけた。 1999年に発生した「山口・光市母子殺害事件」から約13年を経て、最高裁は殺人と強姦致死などの罪に問われた元少年に死刑判決。犯行時18才30日での死刑確定は最も年少。 芸能界では女優の森光子や歌舞伎役者の十八代目中村勘三郎ほか、“ちいちい”の愛称で親しまれた地井武男(享年70)などの訃報が相次いだ。本誌連載でも活躍していた流通ジャーナリストの金子哲雄氏も闘病生活の末、41才の若さでこの世を去った。 ドラマでは堀北真希主演のNHK連続テレビ小説『梅ちゃん先生』がヒット。ゲームでは『パズル&ドラゴンズ』通称パズドラがサービス開始。 この年の流行語は「ワイルドだろぉ」「終活」など。■平成24年の主な出来事1月1日 オウム真理教事件で逃亡中の平田信容疑者を、出頭先の警視庁丸の内警察署で逮捕。6月3日には菊地直子容疑者、同15日には最後の特別手配犯、高橋克也容疑者も逮捕4月19日 福島第一原子力発電所の1~4号機が正式に廃炉。日本の原発が54基から50基に減少5月21日 金環日食観測。日食レンズや日食メガネがヒット5月22日 東京スカイツリーが開業7月1日 食品衛生法により生の牛レバー(レバ刺し)の提供禁止7月27日 ロンドン五輪が開幕。日本は史上最多のメダル38個10月1日 オスプレイが沖縄・普天間飛行場に配備10月8日 京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞でノーベル生理学・医学賞受賞11月10日 森光子が死去(享年92)12月5日 十八代目中村勘九郎が死去(享年57)12月19日 韓国で初の女性大統領、朴槿恵(パククネ)氏が当選12月26日 第2次安倍内閣発足※女性セブン2019年2月28日号
2019.02.20 16:00
女性セブン
三遊亭白馬がトリを務めた寄席の魅力を語る
林家正蔵が襲名から14年、名跡はすっかり定着した
 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、九代目を襲名してから14年、林家正蔵が蓄積した力量でじっくり聴かせる代々の演目についてお届けする。 * * * 2005年、長瀬智也と岡田准一が主演したドラマ『タイガー&ドラゴン』と共に落語ブームを加速させたのが林家こぶ平の九代目正蔵襲名イベントだった。3月13日、石原プロや「六人の会」の支援を受けて上野・浅草で行なわれたパレード&お練りの見物人は14万人! 同年1月に十八代目中村勘三郎襲名のお練りが行なわれた直後ということもあり、マスコミはこの話題に飛びついた。 当時、いわゆる「落語通」の間ではあれこれ言われたが、14年近く経つ今、当代正蔵の名はすっかり定着したと言えるだろう。 その正蔵が2008年から国立演芸場で年に一度開いている落語会が「正蔵 正蔵を語る」。タイトルから先代正蔵(彦六)の演目に挑戦する会と思われがちだが、そうではなく、いろんな芸風の正蔵代々の演目をネタ下ろしする会なのだという。 10回目となる昨年11月25日の「正蔵 正蔵を語る」で演じたのは『一眼国』と『小間物屋政談』。彦六の演目として知られる『一眼国』はともかく、『小間物屋政談』は少々意外だが、これは六代目の正蔵が演じた記録が残っている。 両国の香具師が一つ目の子を捕まえに行く『一眼国』は、冒頭の香具師と六十六部の会話からラストの裁きのシーンまで一貫して怪談めいた雰囲気が醸し出されていて引き込まれる。香具師が広い原中を進んでいくと樫の木が現われ、一足ごとにあたりが暗くなり……というところからのスリリングな展開も真に迫っている。この手の噺がこれだけ似合っているとは意外な発見だ。『小間物屋政談』は鈴々舎馬桜から教わったという三遊亭の型。 上方へ商いに出た小間物商の相生屋小四郎が、旅の途中で盗賊に襲われた若狭屋甚兵衛を助けた。この若狭屋は宿屋で病死、所持した書き付けにより小四郎と間違われ、遺体確認に向かった大家も小四郎と断定。女房おときは大家の口利きで再婚してしまい、江戸に戻った小四郎は居場所を失うが、奉行の大岡越前は小四郎に若狭屋未亡人よしとの再婚を提案。若狭屋は三万両の身代、よしは絶世の美女。小四郎はこの大岡裁きに大喜びして大団円……。 この物語を正蔵は、登場人物を生き生きと描いて見事に聴かせた。騒動の原因となって人々を振り回した大家のいい加減さが可笑しく、小四郎の明るさは正蔵自身のキャラに合っていて好感が持てる。 この日の2席は、かつてのイメージからは「似合わない」と思えた噺だ。それをじっくり聴かせる力量が、今の正蔵には備わっている。●ひろせ・かずお/1960年生まれ。東京大学工学部卒。音楽誌『BURRN!』編集長。1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。『現代落語の基礎知識』『噺家のはなし』『噺は生きている』など著書多数。※週刊ポスト2019年1月18・25日号
2019.01.18 16:00
週刊ポスト
前田愛の献身妻ぶりに絶賛の声 料理店で夫を立てる目撃情報も
前田愛の献身妻ぶりに絶賛の声 料理店で夫を立てる目撃情報も
 6日に第1話が放送され、好評を博しているNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』。大河ドラマ主演という大役を務めるのは、歌舞伎役者の中村勘九郎(37才)だ。父の故中村勘三郎さん(享年57)も『元禄繚乱』(1999年)で主演しており、父子2代で大河の主演を務める。 今年は、足の速さは誰にも負けない主人公同様、そして干支の猪のごとく勢いよく駆け抜け、活躍を見せてくれそうだ。そんな勘九郎を支え、“デキた妻”と評されるのが前田愛(35才)だ。 1月9日に配信されたNEWSポストセブンの記事「NHK大河主演、中村勘九郎を支えるデキすぎ妻・前田愛」では、夫不在でもしっかりと梨園の妻を務める様子を伝えた。 歌舞伎の名門『中村屋』と『成駒屋』は、大晦日に都内の老舗蕎麦店で過ごすのが50年以上続く恒例行事だが、昨年は、勘九郎は『紅白歌合戦』の審査員など多忙のため不在。この日は、勘九郎の弟・中村七之助(35才)、勘三郎さんの夫人・好江さん(59才)、姉で女優の波乃久里子(73才)、中村芝翫(53才)の母である雅子さん(82才)らで過ごしたという。 毎年、芝翫の妻・三田寛子(52才)が雅子さんをエスコートするのが恒例だったが、この日は不在の中村芝翫夫妻に代わって、前田が高齢の雅子さんをサポート。夫不在の中、前田は7才と5才の息子の面倒を見ながら、“梨園の妻”の務めをしっかりと果たしていたと、常連客の証言が紹介されている。また、歌舞伎関係者も前田について「デキすぎた妻だと評判です」と証言している。 この記事に、ネットでも前田を絶賛する声が相次いでいる。「子役のときから芸能界で活躍されてたのに、結婚を機に表舞台には出てこない。元芸能人で、ここまで完璧に“梨園の妻”に徹する方も珍しい。本当に立派だと思う」「大河は色々な方が主演されてますけど、勘九郎さんの奥様は本物の内助の功。旦那様の人気を利用してまで世に出てこようとされる奥様もいる中で、控え目で献身的で素晴らしい。でも奥様も才能のある女優さんとして復活される時を期待してしまう」「妻としても大変だが、梨園の後継ぎの母はもっと大変そう。(略)結婚前に実母を亡くし、大変な努力をされたと思いますが、謙虚な姿勢を持ち続けているところに好感が持てました。歌舞伎座のロビー等でお見掛けしてもずば抜けて綺麗だし、奥さまのお陰で勘九郎さんの男振りも上がると思います」 また、前田の献身は勘九郎の愛があってこそ、とのコメントも少なくない。「一方的に奥さんだけが尽くしてるように書いてるけど、裏ではちゃんと旦那さんもフォローしてるんだと思うよ じゃなきゃ長くは続かないし それぞれの立場で頑張ってるだけだと思うけどな」「昔は童顔で幼いイメージしかなかったけど、結婚後色気が出てきてびっくり。幸せなんだろうね。大変な世界に飛び込みながらも愚痴を溢さないのはすごい」 そんな前田のかいがいしい妻ぶりを示すこんな目撃情報もある。「都内の肉料理店に行ったときのことなんですが、隣のテーブルで勘九郎さん一家が食事をしていたんです。個室ではなく、一般客に混じって周りを気にせず普通に食事をしていたので驚きました。その時、勘九郎さんはテーブルの奥に座っていて、前田さんは勘九郎さんと向かい合った通路側に座っていました。“女性は奥じゃないの?”と一瞬、思ったんですが、その後、前田さんがメニューを勘九郎さん優先にしていて、子供の世話をしながら夫も立てて料理を取り分けていたりする様子を見て、これが“梨園の妻”なのか、と妙に納得したのを覚えています」(店の常連客) 10代の頃から8年の交際を実らせて結婚したふたり。歌舞伎役者にしては珍しい一途な勘九郎。「今後も浮気しないで愛さんを大切にしてほしい」との声も多々あり、そのまま真っすぐ道を駆け抜けるのかもしれない。
2019.01.12 07:00
NEWSポストセブン
NHK大河主演、中村勘九郎を支えるデキすぎ妻・前田愛
NHK大河主演、中村勘九郎を支えるデキすぎ妻・前田愛
 父子2代で「NHK大河ドラマの主演」という大役を務めるのは、中村勘九郎(37才)。NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で勘九郎は、初めてオリンピックに参加した金栗四三(かなくりしそう)を演じ、前半の主人公を務める。亡き父、故中村勘三郎さん(享年57)も『元禄繚乱』(1999年)で主演を務めた。2019年は勘九郎にとって、飛躍の年になりそうだが、その陰で、妻の前田愛(35才)の献身的な働きがあった。 歌舞伎の名門『中村屋』と『成駒屋』は、東京・日本橋にある老舗蕎麦店でひとときを過ごすのが大晦日の恒例となっている。「1年を振り返りながら談笑し、卵焼きやあさりをつまみ、最後にはお蕎麦で締めるというのが毎年の行事となっています。もう50年以上続いていますが、今年は少し例年と様子が違ったようです。勘九郎さんは『紅白歌合戦』の審査員を務めるなど多忙だったため来ていませんでした。中村芝翫さん(53才)の姿もありませんでした」(常連客) その日訪れたのは、勘九郎の弟・七之助(35才)と妻の前田たちだった。勘三郎さんの夫人の好江さん(59才)、姉で女優の波乃久里子(73才)、そして好江さんの母で、中村芝翫の母でもある雅子さん(82才)の姿もあった。 その傍ら、高齢の雅子さんをサポートしていたのが、前田だった。「その日、勘九郎さんがいない中で、お子さんの面倒を見ながら雅子さんもサポートするという“梨園の妻”の務めをしっかりと果たしていました。毎年、芝翫さんの妻の三田寛子さん(52才)が雅子さんをエスコートするのが恒例でしたが、今回は三田さんがいらっしゃらず、前田さんが積極的にお手伝いをしていました」(前出・常連客) 子役出身の前田は、2009年に勘九郎と結婚して以来、長くいた芸能界と距離を置き、内助の功に徹してきた。「結婚直後から贔屓客の名前を覚えて梨園の妻としての務めを果たし、勘九郎さんを支えながら2人の男の子を産み育て、そして、一切、愚痴を言いません。中村屋の男性は代々、鍵を持たずに出かけるため、勘九郎さんの帰りがどんなに遅くなっても、鍵を開けて待っています。デキすぎた妻だと評判です」(歌舞伎関係者) 夫の活躍の裏に、妻の八面六臂の支えがあるようだ。※女性セブン2019年1月17・24日号
2019.01.09 07:00
女性セブン
山下智久の活動自粛をジャニーズファンはどう受け止めているのか
時代劇役者としての滝沢秀明 「経験と人脈」が今後の武器に
「タッキー&翼」の解散、そしてタレント活動からの年内引退を発表した滝沢秀明(36才)。今後はプロデュース業に専念するという。これまで俳優として多くの作品に出演してきたタッキーは、NHK大河ドラマ『義経』など時代劇への出演が実は多い。時代劇役者としての活動を振り返るとともに、それが今後のプロデュース業にどう活きてくるのか、時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが考察する。 * * *  滝沢秀明引退については、ジャニーズ事務所の後輩の育成に専念する覚悟だとか、後継者に指名されたとか、いろいろ言われているが、私は正しい選択だったと思う。  時代劇好きとしては、時代劇主演作も多い俳優の引退は正直残念だが、その芸能活動を見てみると、エンタメ作品の製作者には向いていることがわかる。一番の強みは「人脈を呼ぶ男」ということだ。  滝沢は、赤穂浪士の討ち入事件として有名な忠臣蔵をテーマにした1999年のNHK大河ドラマ『元禄繚乱』に吉良義周役で出演している。義周は、吉良上野介(石坂浩二)の養子で吉良家の跡取り。いわば主役の敵方だ。赤穂浪士に討ち入られたときには18歳で、そのシーンでは、赤穂方の最年少メンバー矢頭右衛門七と戦っている。その右衛門七役は、今井翼。このドラマでは「タッキー&翼」が、「タッキーVS翼」になっていたのだ。そしてこのドラマの主人公・大石内蔵助が、今は亡き中村勘三郎(当時は中村勘九郎)。歌舞伎界の超人気者と10代で出会っているのである。 その後、滝沢は、2005年には、大河ドラマ『義経』に主演している。1年間放送される大河ドラマに主演するということは、NHKの気鋭の演出家、脚本家とも深い縁ができるということである。脚本は金子成人、メイン演出家が黛りんたろう。共演には、義経に仕える武蔵坊弁慶の松平健、源頼朝の中井貴一、平清盛に渡哲也、藤原秀衡に高橋英樹など主役クラスがずらり。さらに義経の師匠のような存在の鞍馬山の修験者・鬼一法眼が美輪明宏! もう怖いものはありません!! こんな面々が当時史上最年少の22歳で主演したタッキーを支えたのである。最強の人脈ができたはずだ。 舞台公演『滝沢歌舞伎』は、この作品をきっかけに滝沢自らの発案で始まったという。20代前半でプロデュース能力を発揮、多くの先輩、後輩がこの公演に参加している。 また、これまで源平の戦場面や武勇伝などが中心になることが多かった『義経』で、舞や光の使い方などで独自の美しいシーンを作り出した演出家・黛りんたろうと滝沢は、NHK連続ドラマ『鼠、江戸を疾る』シリーズでもタッグを組む。 この作品については、このコラムでも取り上げたが、江戸の人気者、義賊の鼠小僧役の滝沢は、ポニーテールで顔の下半分を黒い布で覆い、ほとんど目だけしか見せない怪盗スタイル。わざわざ「隠す」ことで美形ぶりをアピールし、真夜中の屋根の上に月を背景にすらりと立ってみせるのだ。美しく撮りたい監督とそれに応える主役。こうした演出を肌で感じた経験が今後に活かされることは間違いない。そういえば、『鼠』シリーズには、レギュラーでジャニーズJr.の京本大我が出演。Hey!Say!JUMPの高木雄也がゲストになったこともある。 滝沢はこのシリーズで、傾斜もあり、滑りやすい屋根瓦の上を高速で走る技を会得している。引退後、この高速走り技も後輩に伝授するのか。演技の面での滝沢の「後継者」が早くも気になってくる。そして、ジャニー喜多川氏のようにマスコミに一切顔を出さない方針になるのか、演出家・プロデューサーとしてどんどんメディアに出てくるのか。滝沢の今後の露出方針も気になるところではある。
2018.09.23 16:00
NEWSポストセブン
宮沢りえ&大竹しのぶ、不仲説が流れたことで逆に関係修復
宮沢りえ&大竹しのぶ、不仲説が流れたことで逆に関係修復
「ふたりの新居は美しい植栽の日本庭園が広がる和モダンな高級マンションです。娘さんの春休み明けにバタバタしないよう、数か月前には引っ越しを終え、3人で新生活をスタートさせていますよ」(森田剛の知人) 3月16日に入籍を発表したV6・森田剛(39才)と宮沢りえ(44才)。2016年8月の舞台共演をきっかけに交際を開始し、昨夏にはりえのマンションの別部屋に森田が引っ越し。2月にはファミリー向けの4LDKで同棲を開始していた。「前々から“四捨五入して50才になってしまう、45才を迎えるまでに結婚したい”と周囲に話していましたが、彼女の誕生日は4月6日なので、すべり込みセーフ(笑い)。さすがの段取りです。最近はふんわりしたドレス姿が多く、先の仕事の予定もないことから妊娠も噂されていましたが、それは違ったみたいですね。りえさんには前夫との間に8才の娘さんがいますが、森田さんとの仲も良好なようです」(芸能関係者) 結婚翌々日のCM発表会には、白のボタニカル柄ワンピで登場。報道陣に「おめでとうございます」と声をかけられると、ほんのり顔を赤らめてはにかんだ。 実は同じ日、りえは“意外な人”からお祝いのメッセージを贈られていた。主演ミュージカルの公開舞台稽古に出席した大竹しのぶ(60才)だ。報道陣からの問いかけに、「りえちゃんには“おめでとう”って連絡しました」 とニッコリ。りえからの返事については、「それはここで言うのは…」と口を濁したものの「よかったと思います」と祝福した。周囲がその言葉に驚いたのは理由がある。「以前は一緒に飲むなど交流のあった2人ですが、2012年に共通の友人だった中村勘三郎さん(享年57)が亡くなってから疎遠になっていたそうです。大竹さんはりえさんの前夫とも仲がよかったので、離婚について思うところがあったようで…」(別の芸能関係者)「不仲」「共演NG」とまでいわれた2人だが、そんな不穏な噂が逆に関係修復のきっかけになったという。「噂になっていると知った大竹さんは、“私、大人げないことをしたなぁ”とつぶやいていたそうです。周囲にも気を使わせてしまい、申し訳なかったな、と…。そんな大竹さんの言葉が共通の知人を介してりえさんにも伝わったそうです。どちらからともなく、“ご飯でも食べましょう”となったそうですよ。 まぁ、大竹さんは嵐の松本潤さん(34才)や二宮和也さん(34才)、TOKIOの長瀬智也さん(39才)など、森田さんと同じジャニーズのメンバーとも仲がいいですし、今後映画や舞台などで共演する可能性もある。あえてりえさんとの関係をアピールしたのは、“不仲説は自分にマイナスになる”という計算もあったのかもしれませんね」(前出・別の芸能関係者) 結婚でさらに周囲も味方にしていくりえ。何ともたくましい。※女性セブン2018年4月12日号
2018.03.29 07:00
女性セブン
松たか子 「名門の娘」から逃れたくてピアニストの道考えた
松たか子 「名門の娘」から逃れたくてピアニストの道考えた
《私は歌舞伎役者・七世中村芝翫の次女として生まれました。父はもちろんのこと、母やまわりの誰もが、“今度こそ、きっと男の子を”と待ち望んでいたでしょうに、周囲の期待を裏切って、この世に産声を上げてしまったのです。「なんだ、また女の子?」「残念でしたね」「ごしゅうしょうさま」「がっかりしないで」 お祝いに駆けつけてくれた方の第一声です。》 中村勘三郎さん(享年57)の妻・波野好江さんは、自伝『三人桃太郎』の冒頭にそう綴っていた。生まれたその瞬間から、歌舞伎界の女性たちの人生は平坦ではない。女優として高い評価を受ける松たか子(40才)は、高麗屋という名門で産声をあげた。「幼少の松さんのいちばんの遊びは“歌舞伎ごっこ”。父・松本白鸚さんに連れられ、兄の幸四郎さんといつも歌舞伎座に足を運んでいました。幼稚園に入る前には雑誌『演劇界』をボロボロになるまで何度も読み、ほとんどの演目の名台詞を諳そらんじられるほどだったそうです」(歌舞伎関係者) 常に周囲が「芝居」で満たされていたことは、のちに日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得する松にとっては最高の環境だったのかもしれない。だが、その代償に松の人生からは「普通の幼少期」がすっぽりと抜け落ちている。《私には、家族一緒に朝御飯を食べた記憶もない。運動会に来てくれる父の姿も知らない。家にはお手伝いさんがいたので、母の作ったお弁当を食べたこともない》(『文藝春秋』1997年2月号) 歌舞伎の名門に生まれたことは、松が芝居の世界に身を投じる上でも大きな障壁になる。「芝居への憧れがある一方、“名門の娘”とキャッチフレーズのように言われることに違和感を覚えていたそうです。一時は、それから逃れたくてピアニストの道に進もうとしたこともあったそうです」(前出・歌舞伎関係者)※女性セブン2018年3月1日号
2018.02.21 07:00
女性セブン
松也、巳之助ら歌舞伎平成世代 次々と繰り出す新たな取り組み
松也、巳之助ら歌舞伎平成世代 次々と繰り出す新たな取り組み
 二代目松本白鸚(75才、元・松本幸四郎)、十代目松本幸四郎(44才、元・市川染五郎)、八代目市川染五郎(12才、元・松本金太郎)の三代同時襲名に加え、市川猿之助(42才)、尾上菊之助(40才)ら、市川海老蔵(40才)世代の活躍など、注目を集める歌舞伎界。次世代の台頭も目立つ。 その筆頭格が、前田敦子(26才)との熱愛で一躍、世に名が知れ渡った尾上松也(32才)である。血縁を重視する歌舞伎界で、松也はいわゆる“御曹司”ではなく、弟子筋の家系に生まれたため、その時点で大きなハンディを背負うこととなる。 そんな幼き日の松也に目をかけたのが海老蔵だった。松也の母・河合盛惠さんが語る。「海老蔵さんは昔から華があって無邪気ないい人ですよ。松也は小さい頃から海老蔵さんが大好きで、楽屋で『新之助のお兄ちゃん』と言っては海老蔵さんを追いかけ回してました。海老蔵さんからは『ずっと松也がくっついてきてうるさい』と言われましたけど、私が『それぐらい大好きなのよ』と伝えると、『そっか』と笑ってかわいがってくれました」 子役時代こそ舞台に出ずっぱりだったが、周囲からは「良い役がもらえるのは子役のうちだけ。大人になったら厳しい」と心ない言葉が耳に入ることも。その言葉通り、2005年、松也が20才の時に父・松助が亡くなると不遇の時代を迎える。「芸の虫だった主人も、いつも回ってくるのは脇役ばかりで、ストレスを溜め込んでいるように見えました。そんな主人の苦悩する姿を目の当たりにしていますから、役が付かず悶々としている松也に“大川橋蔵さんは映画に出てスターになった。あなたも歌舞伎座の外で名前を売ってみなさい”と発破をかけました」(盛惠さん) くすぶっている松也の飛躍のきっかけを与えたのも海老蔵だ。2008年のこんぴら歌舞伎で海老蔵が座頭を務めた際は、松也を一座に同行させ、大きな役に抜擢して、女形だけでなく立役も演じられることを世に示した。母の言葉や海老蔵に刺激された松也は2009年から自主公演『挑む』を年1回のペースで続けている。 歌舞伎役者が自主公演を行う意味について、ネットメディアで『恋する歌舞伎』などの連載を持つ歌舞伎ライターの関亜弓さんが解説する。「自主公演は若い役者が自らお金を出して企画を立て、普段はできない大きな役を先輩がたに教えを請いながら演じる。その中で“自分がなりたい役者”像を創り上げていくのではないでしょうか」 松也は忙しい仕事の合間を縫って、自らスポンサーを探して資金をかき集め、自主公演を実現させたという。「松也は自分の力で周囲に実力を認めてもらおうと必死でした。親友の七之助くんから“自主公演におれも出してくれ”と頼まれても、“まだ世に出ていない、自分が見出した役者と一からやってみたい”と断った。それほど自主公演に懸けていたんです」(盛惠さん) ◆斬新な取り組みを次々と成功させた中村勘三郎 その甲斐あってか、松也は2015年から“若手の登竜門”とされる『新春浅草歌舞伎』で、リーダーとして坂東巳之助(28才)や中村隼人(24才)など御曹司たちを引っ張っている。彼らの活躍が客層にも大きな影響を与えている。「若手の活躍により、劇場に足を運ぶ10代や20代の若い女性が増えています。なかでも、『スーパー歌舞伎II「ワンピース」』で存在感をみせた巳之助さん、隼人さん、坂東新悟さん(27才)、尾上右近さん(25才)の人気はめざましく、楽屋口で出待ちする女の子まで。『新春浅草歌舞伎』も世代交代がなされた当初は、みなぎるエネルギーが印象的でしたが、近年は“興行として成功させる”“お客様を楽しませる”という気概が伝わってきて非常に頼もしく感じます」(関さん) 彼らは「平成世代」らしく、SNSを活用してセルフプロデュースしたり、写真集を発売したり、積極的にテレビドラマやバラエティー番組に出演したりと、これまで歌舞伎を見たことのない層に歌舞伎の魅力をアピールして舞台に呼び込む。こうした軽やかな活動も若い世代の特徴だ。 歌舞伎界の慣習にとらわれることなく、斬新な試みを次々と成功させた先駆者といえば、亡くなった中村勘三郎さん(享年57)である。彼は生前、テレビの密着番組で弟子に対して「このお弟子さんは、一生主役をやることはできない」というナレーションに激怒したことがあった。そして勘三郎さんはこう言ったという。 「こいつが主役を張れるような時代をつくるのが、おれたちの仕事だ」 残念ながら勘三郎さんは志半ばでこの世を去ったが、その魂は海老蔵に受け継がれている。『歌舞伎 家と血と藝』(講談社)の著者である中川右介氏が言う。「歌舞伎界の頂点に立つ市川宗家の御曹司が、門閥外の実力ある不遇な役者を積極的に登用することで、家系重視の歌舞伎界が大きく変わる可能性があります」 新・染五郎を襲名した金太郎を中心に孫世代も活気づいている。特に海老蔵の息子・勸玄くんが母・麻央さんの死から約2週間後の『七月大歌舞伎』で史上最年少の宙乗りを披露した姿は、多くの人々の涙を誘った。※女性セブン2018年1月18・25日号
2018.01.15 07:00
女性セブン
市川海老蔵が歌舞伎界の“働き方改革”に着手、休演日設定も
市川海老蔵が歌舞伎界の“働き方改革”に着手、休演日設定も
 2017年12月11日、二代目松本白鸚(75才、元・松本幸四郎)、十代目松本幸四郎(44才、元・市川染五郎)、八代目市川染五郎(12才、元・松本金太郎)を三代同時に襲名した。 三代同時襲名は37年ぶり、二代続けての三代同時襲名は歌舞伎史上初めてのこと。そして、この三代同時襲名は「歌舞伎新時代幕開け」の序章だという声もある。 この歌舞伎界新時代の旗手となるのは、もちろん市川海老蔵(40才)だ。すでに彼はニューリーダーとしての自覚を持ち、旧態依然の歌舞伎界を変革しようと動き始めている。その1つが歌舞伎界の「働き方改革」である。『歌舞伎 家と血と藝』(講談社)の著者である中川右介氏が言う。「戦後、歌舞伎は『昼夜2部制・25日間興行』が不文律で、公演が終わっても、すぐに次の稽古が始まり、役者が休む時間はほとんどありません。売れっ子の役者ならさらに合間を縫ってテレビや映画にも出演します。市川團十郎(享年66)や中村勘三郎(享年57)が若くして亡くなったのは、いわゆる“歌舞伎座の呪い”(*注)ではなく、端的に“働きすぎ”が原因だと考える役者も少なくないのです」(*注:2010年4月に旧歌舞伎座を閉場したことを機に歌舞伎界の重鎮の死去など不幸が重なった件)“不世出の女形”と称される坂東玉三郎(67才)だが、近年はめっきり出演が減っている。一部では60代半ばとなった玉三郎にとって25日連続公演が体力的に厳しくなっているのかもしれないと囁かれている。 だが、そんな状況下でも歌舞伎界は変わろうとはしない。「(興行主の)松竹芸能としては休演日を設ければ収入減となるので1日たりとも休みたくない。昼の部か夜の部、どちらか片方でも休めばチケット代だけで3000万円の売り上げ減となり、弁当やお土産の売り上げも含めれば、さらに大きな損失となってしまうので、悪しき慣習を続けている」(中川氏) 目先の利益ばかりを優先する松竹に対して、声を上げたのが海老蔵だった。「海老蔵の祖父・十一代目團十郎も昼夜2部制に異議申し立てをしたが、他の役者が同調しなかったため、孤独な闘いを強いられ、結局胃がんのため1965年に56才で亡くなりました。 父も白血病で早くに亡くした海老蔵は祖父の遺志を受け継ぎ、不退転の決意で松竹を説得した。その結果、昨年7月に海老蔵が座長を務めた歌舞伎座公演では、昼夜1日ずつではありますが休演日が設けられました。これは歌舞伎史上に残る大事件といっても過言ではありません」(中川氏) 50年かけて祖父の“悲願”を実現した昨年7月12日、海老蔵は自身のブログにその喜びを綴っている。〈今日は歌舞伎座史上初の夜の部お休み。歴史的快挙と私はおもう。そしてこれが続く事が未来の歌舞伎役者のためでありお客様のためでもある〉 さらに今年2月に歌舞伎座で上演する『仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場』では、「片岡仁左衛門(73才)×玉三郎」と「海老蔵×尾上菊之助(40才)」のコンビが一日交代で出演するWキャスト方式が執られている。 海老蔵は伝統と格式を守りながら少しずつ改革を進めているのだ。「海老蔵の心中には、自分たちの下の世代、勸玄くん(4才)が中心を担う時代になった時に働きやすい環境をつくってあげたいという思いが強いのでしょう。将来の歌舞伎界まで見据えた上での新時代のリーダーらしい行動です」(歌舞伎関係者)※女性セブン2018年1月18・25日号
2018.01.13 16:00
女性セブン
市川海老蔵の團十郎襲名は既定路線 “新・團菊”揃い踏みも
市川海老蔵の團十郎襲名は既定路線 “新・團菊”揃い踏みも
 400年の歴史を誇る伝統芸能の歌舞伎だが、2017年は暗いニュースが目立った。5月に中村獅童(45才)の肺腺がんが見つかり、6月には市川海老蔵(40才)の妻・小林麻央さん(享年34)が乳がんのため、この世を去った。10月には『スーパー歌舞伎II 「ワンピース」』の公演中の事故で市川猿之助(42才)が左腕開放骨折という役者生命を脅かす重傷を負った。 そればかりではない。近年、歌舞伎界を襲う不幸は止まらない。中村勘三郎さん(享年57)、市川團十郎さん(享年66)、坂東三津五郎さん(享年59)と、歌舞伎界は相次いで巨星を失っている。「この“負の連鎖”は2010年4月に旧歌舞伎座を閉場したことを機に不幸が重なったため、“歌舞伎座の呪い”と呼ばれています。暗い話題が続いた歌舞伎界にとって、高麗屋の三代同時襲名は久々の明るいニュースとなりました」(歌舞伎関係者) 2017年12月11日、二代目松本白鸚(75才、元・松本幸四郎)、十代目松本幸四郎(44才、元・市川染五郎)、八代目市川染五郎(12才、元・松本金太郎)を三代同時に襲名した。三代同時襲名は37年ぶり、二代続けての三代同時襲名は歌舞伎史上初めてのことである。そして、この三代同時襲名は「歌舞伎新時代幕開け」の序章だという声もある。「歌舞伎の興行主の松竹としては、日本の伝統文化である歌舞伎を2020年の東京五輪で世界にアピールしたいという思いがあります。その時、歌舞伎界トップの『市川團十郎』が不在という事態は何としても避けたい。そのため東京五輪までに海老蔵が十三代目を継ぐのは既定路線といわれています。その際は海老蔵の息子・勸玄くん(4才)が『八代目市川新之助』を襲名するダブル襲名になるでしょう」(前出・歌舞伎関係者) 市川宗家・成田屋に受け継がれる「市川團十郎」は、歌舞伎界で最も権威のある大名跡であり、2013年に十二代目が逝去後は空位のままとなっている。新・團十郎誕生を盛り上げるため、水面下ではこんな壮大な計画が進んでいるという。「高麗屋の三代同時襲名の後、團十郎との『團菊』コンビで知られ、成田屋と並ぶ名門・音羽屋の尾上菊之助(40才)が『八代目尾上菊五郎』を襲名するという構想があるようです。『菊五郎』を海老蔵と同じ年の菊之助に継がせることで、團十郎襲名への地ならしにもなる。海老蔵と菊之助で『新・團菊』の揃い踏みとなれば、これほどおめでたいことはありません」(前出・歌舞伎関係者) 東京五輪に向けて、高麗屋、音羽屋、成田屋と歌舞伎の名門が立て続けに代替わりする。何ともドラマティックな筋書きである。※女性セブン2018年1月18・25日号
2018.01.12 16:00
女性セブン
市川猿之助も重傷骨折 不気味に続く「歌舞伎座の呪い」
市川猿之助も重傷骨折 不気味に続く「歌舞伎座の呪い」
「本当に復帰できるのか」──関係者の間でそう囁かれているのは10月9日、東京・新橋演舞場での公演中に左腕を骨折した人気歌舞伎俳優・市川猿之助(41)だ。事故が起きたのは公演終了後のカーテンコール。漫画『ワンピース』を題材にしたスーパー歌舞伎で主役を務めていた猿之助が、花道の途中にある“すっぽん”と呼ばれる昇降装置で舞台から姿を消す瞬間だった。演舞場関係者が明かす。「猿之助さんが一瞬で床下に消える演出で、普段より降下スピードを上げていたため、衣装の左袖が装置に巻き込まれると同時に一気に腕を持っていかれてしまった。この公演は2015年に続き2回目ですが、今回から衣装の袖を前回より長くし、羽根飾りなども付けて“スケールアップ”させたことが災いした」 異変に気付いたスタッフが「猿之助さんが機械に挟まれた!」と助けを求めたが、体を装置から引き離すのに「大人4人がかりだった」と言うから、どれほど腕が深く装置に挟まれていたかが窺い知れる。「救助に当たったスタッフの話では、猿之助さんの左腕の骨が皮膚を突き破ってハッキリと見えるほど飛び出していたそうです」(前出・関係者) すぐに病院へと搬送され緊急手術。左上腕と前腕、指の3か所の開放骨折という重傷だった。猿之助は事故翌日に、代役を務めることになった歌舞伎役者・尾上右近(25)らに向け、「僕は元気。なるべく早く戻るから(中略)みんなで頑張ってください」と激励するなど気丈に振る舞っているというが、事態は深刻だ。「本人は来年1月から始まる東京・歌舞伎公演で本格復帰するつもりでいるが、まだ数回の手術が必要で、どこまで演じられるかも分からない。猿之助は指先の動きでの表現力が持ち味。“左腕が元通りにならなければ本格復帰は難しい”と不安の声が上がっています」(前出・関係者) それにしても歌舞伎界を襲う不幸は不気味なほどに止まらない。中村勘三郎(享年57)、市川團十郎(享年66)、坂東三津五郎(享年59)などベテラン歌舞伎役者たちが若くして相次いで亡くなったことに続き、若手でも市川海老蔵(39)の妻・小林麻央が今年6月に亡くなり、中村獅童(45)も今年5月、肺腺がんになった。そこで今一番の実力派と言われる猿之助の長期欠場はあまりに痛い。「2010年4月に旧歌舞伎座(東京・銀座)を閉場したのを機に不幸が相次いだことから、“歌舞伎座の呪い”と呼ばれています。梨園関係者は『まだ呪いは続くのか』と気味悪がっています」(同前) 最も憂慮されるのは、猿之助を欠いた一門「澤瀉屋(おもだかや)」の今後である。「先代・市川猿之助(現・猿翁)が歌舞伎を現代風にアレンジした『スーパー歌舞伎』を確立したことで、澤瀉屋は脚光を浴びましたが、息子の香川照之(市川中車)が歌舞伎界に入ったことで関係がギクシャクし、長年、先代を支えた市川右團次(元・市川右近)が今年、事実上独立してしまったばかり。香川は歌舞伎役者としてはキャリアが浅く、澤瀉屋を一人で支えていくには荷が重い。それだけに猿之助の不在は澤瀉屋、さらにはスーパー歌舞伎の存続危機です」(歌舞伎関係者) ケガの状況について事故が起きた新橋演舞場は「すでに数回、左腕の手術をしております。復帰の時期については分かりません」というのみ。スーパーな復活劇を祈るしかない。※週刊ポスト2017年10月27日号
2017.10.16 07:00
週刊ポスト

トピックス

紺色のお召し物だった紀子さま
紀子さま、悠仁さまに「悪夢の再来」 宮内庁17cm包丁送付事件、同封便箋には皇族批判
女性セブン
京都の街を歩く舞妓のイメージ(写真/イメージマート)
元舞妓の告発に有名歌舞伎役者たちが大慌て 関係が露見すれば廃業は必至か
女性セブン
逮捕された「RYO&YUU」
「バレないように森の中で」公然わいせつ逮捕「RYO&YUU」が語っていた野外動画撮影の“対策” 実際には公園、海岸でも裸に
NEWSポストセブン
よくぞ言った!江口のりこがぶっちゃけたテレビのタブー「番宣出演は意味がない」
よくぞ言った!江口のりこがぶっちゃけたテレビのタブー「番宣出演は意味がない」
NEWSポストセブン
ゴルフをする女性芸能人が増えている(左は小島、右は鷲見。ともに本人のインスタより)
タイトなウェア姿を投稿しまくりの小島瑠璃子と鷲見玲奈「ゴルフ女子」枠巡る熾烈な戦い
NEWSポストセブン
ポスト和久田麻由子アナに浮上 「元東大ミスコン」堀菜保子アナ(27)の“大きな武器”
ポスト和久田麻由子アナに浮上 「元東大ミスコン」堀菜保子アナ(27)の“大きな武器”
NEWSポストセブン
TBS・安住紳一郎アナウンサーの魅力の源は?(時事通信フォト)
「定年までTBSに」先輩・吉川美代子アナが期待する安住紳一郎アナのこれから
週刊ポスト
結婚を発表し、お相手を「建築会社」とした滝沢。「一般男性」とは言っていない
滝沢カレン結婚!「テラハ」出演“肉食系”ハーフモデルのどこに惹かれたのか
NEWSポストセブン
眞子さまの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室圭さんの妻・眞子さん 華やかだった4年前の「箱根・女子旅ファッション」
NEWSポストセブン
逮捕された「RYO&YUU」
公然わいせつ逮捕「RYO&YUU」、性的動画アップは「親公認」だった 22歳の女は愛知・香嵐渓で全裸に
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン
高橋真麻
高橋真麻「おでんの卵8個食べても太らない」女性が憧れる美スタイルの理由
NEWSポストセブン