国内

毎年インフルや大雪が襲うセンター試験 時期見直し求める声

試験内容の審議は進むも入試時期の見直しはなし

 センター試験当日の朝、電車が止まって会場に間に合わない受験生を救ったニュースが思わぬ事態に――。

 1月14日朝、JR函館線の旭川発札幌行き特急スーパーカムイ10号が車両の不具合で運休し、JR北海道は後続列車では間に合わないと判断。同社は滝川駅からこの特急で大学入試センター試験に向かう予定だった受験生7人を、タクシーで岩見沢市の試験会場に送った。いずれも試験開始時間に間に合ったとみられるという。列車の料金は払い戻さず、タクシー代はJR北海道が負担した。

 今年も心温まるいい話が聞けてなにより――誰もがそう思っているだろうと思いきや、インターネットの掲示板やツイッターではまさかの炎上が起きていた。その理由は、「北海道の気候を考えた場合、当日受験会場に行くのは甘い」や「受験生だけ特別扱いはおかしい」といったところにある。

 機転を利かせた駅員も、送り届けた運転手も、そしてもちろん間に合った生徒も、炎上する理由はどこにもない。もしも悪いとすれば、それは、人生を左右する一発勝負の試験が、地域間で格差の出やすい1月にあるということ――。

 作家の林真理子さんは『週刊文春』の連載で、今回の一件に関してこんなことを綴っていた。

《日本人のDNAの中には、「寒い冬を艱難辛苦に耐え、そして希望の春を迎える」という暦が刷り込まれているような気がする》《四季のはっきりしているわが国では冬につらい思いをして明るい春がくるという学業のスケジュールはぴったり》

 しかし、北海道大学で地方の活性化や地方経済や交通について研究している小磯修二教授は、「雪国の立場からするとなぜこの時期に…」と肩を落とす。

「私が教えている北海道大学では、留学生などの試験は秋にもあります。それを見ていると、やはり秋だと楽だなという実感がある。一方日本の受験生でいちばん大事なセンター試験や2次試験、私大の受験日程は全部1、2、3月という雪の多い時期ですよね。ここは今後、考えていくべき教育制度の問題だと思います」

 実際、2017年のセンター試験は全国的に天候が悪く、新潟ではあまりの積雪で試験を受けられなかった74人が再試験となった。このような豪雪地帯はもちろん、全国でわが子の受験を見守る母にとって冬の試験は大きな苦難だ。東京で国立大の2次試験を控えた受験生の母が言う。

「センターの時って毎年雪が降るうえに、インフルエンザとノロウイルスの対策でピリピリします。娘のために、家族全員でインフルエンザの予防接種を受けました。だけどノロは対策のすべがないから、誰かが家に持ち込むんじゃないかって常にビクビク。もちろん、自己管理までが受験だといわれればそれまでですが、“どうしてこの時期?”という思いは拭いきれない」

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト