国内

「林彪」の読み方は「リンピャオ」か「リンビャオ」か

評論家の呉智英氏が分析

 日本で外国の名前や地名など固有名詞を表記するとき、現地語の発音を仮名に置き換えるのが原則とされているが、中国語の場合は慣例として、漢字の音読みをそのまま仮名にしてきた歴史がある。最近は中国の人名や地名でも発音時に聞こえる音を仮名にしているが、仮名で表現するのが難しい音が中国語には存在する。原則に忠実であろうとするあまり、読者を混乱させる奇妙な表記があふれるバカらしさについて、評論家の呉智英氏が解説する。

 * * *
 この一月、朝日新聞に「林彪(りんぴょう)事件をたどってII」という全十回の特集記事が連載された。支那文化大革命期の1971年9月、有力者の林彪がソ連亡命を企てたが搭乗機が墜落し、林彪は死んだ。謎に包まれた事件を追った連載で、なかなか興味深かった。

 しかし、1月27日の最終回で奇妙な記述に気がついた。

「著名な中国人作家、葉永烈(イエヨンリエ、76)は、毛沢東が林彪事件後、急速に『老け込んだ』との話を元高官から聞いたという」

 連載タイトルにある「林彪」は「りんぴょう」とルビ(ふり仮名)がふってある。しかし、記事中の「葉永烈」は「イエヨンリエ」である。タイトルと同じ方式なら「ようえいれつ」だろう。正しくは「葉」は人名の場合は「しょう」であるが(書渉切)、まあ慣用読みの「よう」でいいだろう。

 ともあれ、支那人名の読み方に不整合が生じている。支那人名を支那語発音で書かないのは差別だという異常なイデオロギーが言論界・教育界を支配した結果だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』でハリー・ポッター役を演じる稲垣吾郎
舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』に出演、稲垣吾郎インタビュー「これまでの舞台とは景色が違いました」 
女性セブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン