ビジネス

ポテチ品切れの湖池屋 新社長は伝説のヒットメーカー

 初代FIREのCMソングを、商品コンセプトに相応しいとの理由で、米大物歌手のスティービー・ワンダーに作曲して欲しいと考えた。会社の経営会議では反対の声も出たが、自ら手紙を送るなど粘り強く交渉を続け、ついに口説き落とした。「アメリカのスタジオで初めて聴いた試作曲にはダメ出しまでしたといいます」(永井氏)

 そんな佐藤氏がキリン時代から一貫して持ち続けている商品開発の鉄則が、「消費者目線」と「サプライズ」だ。

「まず部署や役職、年齢に関係なく新商品開発のプロジェクトチームを結成し、さまざまな仮説を立てながら、メンバー間で意見を出し合っていきます。そして、消費者の要望や不満を徹底的にリサーチし、他社の二番煎じではなく消費者のサプライズを呼ぶ商品に仕上げていきます。

 トップメーカーであれば既存の売れ筋ブランドを強化するやり方もあったでしょうが、ビールではアサヒ、清涼飲料ではコカ・コーラやサントリーといった上位メーカーを追う立場。佐藤さんはコツコツとヒットを打つよりも、一発ホームランを狙う付加価値の追求、いわば常識にとらわれない切り口で新商品を生み出してきたのです」(永井氏)

 そしていま、佐藤氏は主戦場を飲料業界から菓子業界に変え、まさに自身のプライドもかけた新作ポテチを世に送り出した。

「カルビーの牙城を崩すためには、奇をてらった商品だけでなく、固定ファンを掴む息の長い商品育成が欠かせない」(前出・経済誌記者)

 との指摘もあるが、果たして佐藤氏は湖池屋でも新たな伝説を刻むことができるか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平(写真/Getty Images)
《昨年は騒動に発展》MLBワールドシリーズとNPB日本シリーズの日程が“まるかぶり” NHKがワールドシリーズ全試合放送することで新たな懸念も浮上 
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
恋愛についての騒動が続いた永野芽郁
《女の敵なのか?》山田美保子氏があらためて考える永野芽郁「心配なのは、どちらにとっても“セカンド女”だった点」
女性セブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
《想定外の横暴カスハラ》「給油機が止まってから、あと2リットルほど入るんや」還暦タイミーさんがガソリンスタンドで遭遇した“お客さまの常識外の言動”
《想定外の横暴カスハラ》「給油機が止まってから、あと2リットルほど入るんや」還暦タイミーさんがガソリンスタンドで遭遇した“お客さまの常識外の言動”
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(HP/時事通信フォト)
「私嫌われてる?」3年間離婚を隠し通した元アイドルの穴井夕子、破局後も元夫のプロゴルファーとの“円満”をアピールし続けた理由
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン
小野田紀美・参議院議員(HPより)
《片山さつきおそろスーツ入閣》「金もリアルな男にも興味なし」“2次元”愛する小野田紀美経済安保相の“数少ない落とし穴”とは「推しはアンジェリークのオスカー」
NEWSポストセブン
aespaのジゼルが着用したドレスに批判が殺到した(時事通信フォト)
aespa・ジゼルの“チラ見え黒ドレス”に「不適切なのでは?」の声が集まる 韓国・乳がん啓発のイベント主催者が“チャリティ装ったセレブパーティー”批判受け謝罪
NEWSポストセブン
高橋藍の帰国を待ち侘びた人は多い(左は共同通信、右は河北のインスタグラムより)
《イタリアから帰ってこなければ…》高橋藍の“帰国直後”にセクシー女優・河北彩伽が予告していた「バレープレイ動画」、uka.との「本命交際」報道も
NEWSポストセブン
歓喜の美酒に酔った真美子さんと大谷
《帰りは妻の運転で》大谷翔平、歴史に名を刻んだリーグ優勝の夜 夫人会メンバーがVIPルームでシャンパングラスを傾ける中、真美子さんは「運転があるので」と飲まず 
女性セブン