昨季は期待のルーキーたちも、春先の派手な報道とは落差のあるシーズンを送った。その筆頭が、楽天・オコエ瑠偉(19)である。

 入団会見で「目標はトリプルスリー」と語った話題性ナンバーワンルーキーは、〈オコエに「ヤクルト山田化計画」〉(2016年2月3日、日刊スポーツ)と、2年連続トリプルスリー・山田哲人(24、ヤクルト)になぞらえられた。

 いくらなんでも煽りすぎである。打率1割8分5厘、本塁打1本、4盗塁という結果に終わり、トリプルスリーは遥かに遠い。

 巨人から単独1位指名を受け、即戦力右腕として期待された桜井俊貴(23)については、

〈桜井 松井(秀喜)氏の腰引かせた〉(16年2月8日、サンケイスポーツ)と報道。藤田元司や堀内恒夫ら、かつての巨人エース右腕が新人時代につけた背番号「21」をつけたが、3月30日のプロ初先発(横浜戦)で、5回途中9安打4失点で降板した。

 翌日、2軍行きとなって以降は肘のケガに泣かされ、今オフに背番号「21」が“剥奪”されたことは周知の通りだ(現在は「36」)。

 ところで、今年は巨人の新外国人投手・カミネロ(29)が「自称・最速166キロ」とされているが、実は昨年も「自称・最速166キロ」と豪語した助っ人がいたことを覚えているだろうか。昨季・オリックスに加入したコーディエ(31)である。〈「最速166キロ」いきなり150キロ超〉(2016年2月2日、デイリースポーツ)という報道に恥じず、オープン戦5試合で被安打ゼロの完璧なピッチングを披露し、抑え候補として開幕を迎えた。

 しかしいざ開幕すると、四球や牽制悪送球でリズムを崩し、そこから打ち込まれるという別人のようなピッチングになり、6月には登録抹消、そのまま日本球界をフェードアウト。13試合に登板し、防御率7.30という数字だけが残った。

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