スポーツ

大相撲 行司は8階級、呼出は9階級あり定員は共に45人

大相撲 「行司」と「呼出」の番付は?

 和の伝統文化を守った様式美と、真剣勝負が繰り広げられる独特の世界を持つ大相撲。稀勢の里の横綱デビュー場所となる三月場所の開幕目前、ファンとして知っておきたい相撲の「行司」と「呼出」の番付について解説する。

【行司】軍配を持ち、華やか装束で取組を裁く

 直垂に烏帽子といった、室町時代の武士装束のような華やか衣装を身にまとい、土俵上で取組をさばくのが行司。力士の番付と同様に下は序ノ口格から始まって8階級があり、最高位は、木村庄之助と式守伊之助という名跡の立行司だ。行司にも軍配につける房の色、持ち物、履物に至るまで階級による規定がある。

 幕下格以下の行司は、木綿の衣装ですねを出し、素足で土俵に上がる。第三十四代・木村庄之助として、平成20年3月場所まで立行司を務めた伊藤勝治さんはこう語る、

「立行司になると、腰に短刀を差しています。軍配を差し違えたら(誤ったら)切腹するという覚悟のほどを示しています」

 定員45人で、力士同様部屋に所属。毎年九月場所のあとに勤務評定が下され、階級と待遇が決まる。土俵上での裁きばかりが目につくが、決まり手コールの場内アナウンスや、取組を組む割わり場ばでの結果記録なども行っている。番付書きも行司の仕事だ。

【呼出】土俵まわりの雑用もこなす、陰の演出家

 独特の節回しで四股名を呼び上げる呼出は、土俵まわりのさまざまな仕事をこなす働き者。本場所前には手作業で土俵を作り、土俵祭の後には太鼓を打ちながら街に出て、興業開始と初日の顔合わせを触れ歩く。

 そして場所が始まれば、朝8時に「寄せ太鼓」を打ち、取組ごとに土俵を掃き清め、塩、力水を用意。拍子木(柝)を打って進行を知らせ、懸賞旗を持って土俵をまわるなど休む間がない。

 呼出も45人定員で、相撲協会が採用して各部屋に配属。階級は9段階で、立たて呼よび出だし(呼出の最高位)は、結びの一番のみを呼び上げる。

 呼出が持つ白い扇子は、神聖な土俵につばを飛ばさないためにガードする役割。本場所の結びの一番が終わると「跳ね太鼓」を打つが、明日の来場を願う意味があるため、千秋楽には行わない。

撮影/太田真三

※女性セブン2017年3月16日号

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン