ライフ

米国では症状のない人が健康診断を受けるのはほとんど無意味

鎌田實氏が健康診断について語る

 諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師によれば、2010年頃から、アメリカの50の学会が賛同、「Choosing Wisely」(賢明な検査や治療法を選ぼう)という運動が始まったのだという。意味のない検査やエビデンスの薄い不要な治療はしないこの運動は日本にも伝わり、Choosing Wisely Japanが立ち上がっている。この運動は、具体的にどんな活動をしているのか、鎌田医師が解説する。

 * * *
 アメリカのChoosing Wiselyは、週刊ポストの読者の関心が高そうな指摘もしている。「テストステロン値が正常な男性のED治療に、テストステロンを使用しても、性欲は上がるが勃起力は上がらない」

 テストステロンの投与が男性更年期治療として保険適用されているが、テストステロンという男性ホルモンが減少している時のみ治療の意味があるということだ。

 これはほんの一例にすぎず、日本にはまだまだ無意味な検査、的外れな治療が行なわれているのではないか。そんな疑問と、検査とのあるべき向き合い方を知ってほしくて、先月末『検査なんか嫌いだ』(集英社)を出した。

 過剰な検査は要らないという運動の一方で、遺伝子検査などで病気を見つけようという流れはますます進んでいく。これはゆっくり慎重にしたほうがいい。すい臓がんを早期発見するマイクロRNA検査の臨床研究が始まった。

 そうした最新の検査が、「エビデンスが高く」「コストが安く」「痛くない」という三拍子がそろうまでは、まだ時間がかかるだろうが、この流れは止められない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト