兄は最後の試合で、前日のケガによって出場できなった仲間の代わりに、まともに返球ができない状態ながら、急遽、レフトでスタメン出場した。弟に負けない強打者だったが、4打数4三振という結果に「一生悔いが残ります」と語っていた。
一方、恭大に話を聞くことができたのは、昨秋の大阪大会の試合後だった。
「やっぱり兄と野球をしたかったんです。これからは兄の分まで、という気持ちはあります。甲子園で活躍する姿を見せたいです」
かつて大阪の覇者だったPL学園は昨年、事実上の廃部となった。現在は、大阪桐蔭がその座につく。甲子園を目指した藤原海成の果たせなかった夢は、弟の恭大が引き継ぐ。