こんなメンバーを束ねるのは、いくら何でも小久保裕紀監督では荷が重い。コーチ陣もコワモテが必要だろう。野球評論家の江本孟紀氏が言う。
「投手コーチは東尾修(元・西武)がいい。与死球165は、ダントツの歴代1位。たまにわざとぶつけてましたからね。国際試合では闘争心がモノを言う。東尾に戦う心を叩き込んでもらうのです」
打撃・走塁コーチは柴田勲(元・巨人)という声も。通算579盗塁のセリーグ記録保持者で、2000本安打も達成。打力と脚力を兼ね備えた、巨人V9時代の不動のリードオフマンだった。
柴田を“落ち武者コーチ”に推すある球界OBに理由を訊ねると、「古い野球ファンならわかるハズだから、あえて言わないよ」とケムに巻かれてしまったが……。
最後に最も責任重大な監督。江本氏は闘将・星野仙一(元・中日)を推薦した。
「小久保監督はいつも陰気臭い顔をしているけど、星野さんは闘志を前面に出して選手と一緒に闘う。中日の監督時代、岩本(好広)、小松崎(善久)らを“乱闘要員”としてベンチに入れていたほど。監督には星野さんが最適でしょう」
前出のやく氏も賛成だ。
「星野さんが選手への“鉄拳制裁”をわざと見せつければ、相手チームはビビります。米国や中米の社会には鉄拳文化はありませんから理解に苦しむはず。いい年した大人たちがボコボコに殴られながら試合に挑む事態に相手が飲まれてしまえば、こっちのもんです」
星野監督率いる“落ち武者”たちが世界で暴れる姿を見たかったような、世界に見せてはいけないような……。
※週刊ポスト2017年3月24・31日号