なぜ金曜23時の両番組が若手女性タレントの登竜門になっているのでしょうか?
両番組は週替わりゲストとのトークを中心に構成されていますが、鶴瓶さん・今田さんという話術の優れたメインMCがいるため、若手女性タレントは「プロというより視聴者に近い」立ち位置。進行はメインMCに任せて、素直なリアクションをすればいい分、リスクが少ない割に魅力が伝わりやすいのです。
また、『A-Studio』はゲストの家族や友人と会って話し、『アナザースカイ』はゲストのルーツや人生観にふれるのもメリットのひとつ。さまざまな先輩タレントや関係者から成功の秘けつを学び、芸能人としての感性が磨かれ、番組を卒業するころには顔つきが変わったのがハッキリ分かるほど成長しています。
つまり、両番組に出演すると、「業界人と視聴者の両方に顔と名前が売れる」上に、「メインMCが魅力を引き出してくれる」「失敗のリスクは少ない」「学べることが多い」などのメリットが多いため、若手女性タレントには憧れのポジション。才能ある人材が集まり、さらに磨かれるのですから、登竜門となっているのも当然なのです。
一方、男性視聴者にとって両番組の女性タレントは、金曜23時に一週間の疲れを癒してくれるうれしい存在。3月31日に放送されるemmaさんのデビューを見守るとともに、来年3月まで1年間の成長ぶりを追いかけてみてはいかがでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。