国際情報

中国で呪いビジネス隆盛 夫の浮気相手を憎む妻の需要大

妻の恨みは買いたくない(写真:アフロ)

 中国人の風水好きは広く知られているが、最近ではネット社会隆盛のせいか、ちょっと物騒なこんな話もある。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 ここ数年の経済の高速発展を反映し、街は日々近代的な色に塗り替えられている中国だが、その社会を一枚めくってみると、いまだに驚くべき古い因習や言い伝え、迷信が支配していることに気付かされることがしばしばだ。

 市井の人々の迷信への傾倒はいうまでもないが、時にエリート層でさえも風水をはじめ多くの影響を受けながら暮らしている。ある意味、そうした非科学的な“力”に対し強い親和性を持っているのがこの社会の特徴ともいえるのだろう。

 そうしたなか、『北京青年報』(2017年3月3日)が、非常に興味深い記事を配信しているので紹介したい。タイトルは、〈ネットの呪術販売店の売り上げが絶好調 呪いで相手を必ず殺すことができる 効果なければ返金と謳う店も〉である。

 ネットで販売しているのは呪術の言葉や儀式の進め方などである。効能を保証しているのは、自称「道観」や「法師」と呼ばれる人々である。

 価格は一回、20元(約320円)から2000元(約3万2000円)というから、それほど高いとは感じられない。しかも、タイトルにあるように「効果がなければ返金する」とのうたい文句も普通に見つかる。必要なのは呪いたい相手の生年月日と名前で、写真があればもっと良いということだ。

 呪術の効果も、相手を睡眠障害にすることや交通事故に遭わせる、伝染病に感染させるなど程度もいろいろのようだが、記事の全体のトーンはもちろん胡散臭いものを扱うというもの。結局、最後には専門家の意見を載せて全否定というオチだが、北京のメディア関係者はこの現象をこう語る。

「いまの社会で最も需要があるのは家庭の主婦です。呪い殺したい相手は、夫の浮気相手です。この需要は決して小さくなく、だからこんなビジネスがまかり通っているのです」

 これも人の感情に付け込んだ商売なのだろう。ちなみに専門家のコメントによれば、呪術は道教の由来でもなければ、宗教的な背景もないということだとか。

関連キーワード

トピックス

永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン
Aさんの乳首や指を切断したなどとして逮捕、起訴された
「痛がるのを見るのが好き」恋人の指を切断した被告女性(23)の猟奇的素顔…検察が明かしたスマホ禁止、通帳没収の“心理的支配”
NEWSポストセブン