顔料問題以外にも“曜変天目”には複数の疑惑が持ち上がった。〈他の曜変天目と違い、茶碗の外側にも模様が発現していること〉〈他の曜変天目には存在しない茶碗の裏の「供御」という文字〉などだ。
所有者のラーメン店主はこう訴える。
「徳島県に文化財指定の申請を申し込もうとしていたが、このような状況なので一度ストップしています。奈良大に調査を依頼したのは、現物を見ていない人たちに“偽物だ”と決めつけられるのが耐えられなかったから。私は、最初から偽物と決めつけず客観的に調査をしてくれる先があるなら、再調査に協力してもいいと考えています」
真贋論争にピリオドが打たれる日は来るのだろうか。
※週刊ポスト2017年4月14日号