だが、表向きニコニコしながら机の下では足を蹴り合うのが外交だ。たとえ「忠犬」と罵られようが、無視すればいい。俺は就任間もない晋三総理に、「相手の力を利用して相手を制するのが合気道の極意。国政も同じだ」と諭したことがあるが、彼はその教えを実践しているんじゃないか。
「仲良くなりすぎると言いたいことが言えなくなる」と批判派は口を揃えるが、そこを割り切っていくのが外交であり、昨日は笑っていても今日は鬼になることもある。
外交と違って、男と女の関係は手のひらを返すことはできないけどな(笑)。
【Profile】かめい・しずか/1936年広島県生まれ。東京大学経済学部卒業後。1962年、警察庁に入庁。1977年に退官。1979年、衆議院議員選挙に自民党から立候補し初当選。運輸大臣、建設大臣を歴任。2005年には自民党を離党し、国民新党を結党。2009年、国務大臣金融・郵政改革担当に就任するも、2010年6月に辞任。現在、無所属。
取材・構成■池田道大
※SAPIO2017年5月号