まずは、竹島の「領土問題」を国際司法裁判所に提訴することだ。もちろん歴史的事実の点で分が悪い韓国は、国際司法裁判には応じないだろう。ならば、韓国が慰安婦問題などで賠償と謝罪を引き出すために世界中に喧伝しているように、日本は毎年ひたすら提訴し、「韓国は自分たちが負けるのがわかっているから提訴に応じない。竹島問題に関する韓国の主張は根拠がない妄想であるからだ」と、世界にアピールすべきなのだ。
慰安婦問題もしかり、韓国は日韓基本条約以来、国際法を平気で破り続けていることをプロパガンダとして世界に知らしめるべきだ。日韓合意破棄が国際的にどれだけ非常識で恥ずべき行為であり、世界の信頼をなくしていることに韓国が気付いていない、というその意思表明の象徴として、平昌オリンピックのボイコットなのだ。
日本がすべきことは、「日韓の問題は永遠に解決しない」という現実を理解し、近隣諸国と子々孫々まで揉め続ける覚悟を持つことだ。世界的に、ほとんどの国家が隣国との間に問題を抱えている。隣国と揉めるのは当然なのだ。むしろ隣国と仲良くするという幻想を破棄し、それ以外の国と関係を密にした方が、日本の国益は守られるのである。
●みつはし・たかあき/1969年熊本県生まれ。東京都立大学(現・首都大学東京)経済学部卒業。2008年に中小企業診断士として独立。近著に『世界同時 非常事態宣言』(渡邉哲也氏との共著・ビジネス社)、『中国不要論』(小学館新書)など、他著書多数。
※SAPIO2017年5月号