「団塊世代などシニアの大量退職によって、郊外にはファミリーや地域住民との“溜まり場”に使える場所が求められています。喫茶店であればコーヒーと軽食で長居しても気まずくありませんし、一人で行っても新聞や雑誌がたくさん置いてあるので、ファミレスよりもくつろぎの時間を過ごすことができます。
そうしたニーズは、必ずしもコメダにばかり集中しているわけではありません。モーニングでコーヒーを注文すれば、トーストやゆで卵がついてくる名古屋式のサービスは、すでにコメダ以外のチェーンもやっていて珍しくなくなりましたしね。
それよりも、今後は倉式珈琲のようにコーヒーの種類を増やしたり、元町珈琲のように本格料理を数多く考案したりするなど、消費者の多様なニーズに応える特徴的な店づくりをしていけば、コメダに負けないぐらいの固定ファンを獲得することはできるでしょう」
市場調査会社・富士経済の調べによれば、2015年に1163億円だった「ロードサイド型喫茶店・コーヒー専門店」の市場は、今年は1328億円まで伸びると予測されている。セルフサービスの低価格コーヒーショップや、スタバやタリーズなどのシアトル系カフェの人気も一巡したいま、フルサービス型の喫茶店ブームがどこまで続くのか注目したい。