かてて加えて、韓国は産業構造の転換もできていない。『日経ヴェリタス』による2016年の世界の企業の時価総額ランキングでは、首位から12位まで、ずらりとアメリカ企業が並んでいるが、上位に入っているのは、1位のアップル、2位のアルファベット(グーグルの持ち株会社)、3位のマイクロソフト、6位のアマゾン・ドット・コム、7位のフェイスブックという昔はなかったICT(情報通信技術)企業である。
ところが、韓国ではアメリカのような21世紀型の新しい産業、新しい業種がほとんど生まれていない。財閥系の大企業が「従来の延長線上でいっそう努力する」というアナログ思考のやり方なので、産業構造が20世紀のままになっているのだ。
以上のような問題があるため、韓国は大きく飛躍することができず、いつまでたっても「中進国のジレンマ」から抜け出せないのである。
※SAPIO2017年5月号