浅草出身の編集者から聞いたのは地元の鳶の親方のことだ。毎朝、現場へ出る前に酒屋に寄り、日本酒を1杯、くいっとやる。一瞬で飲み干す。さあ、行ってくらあ。
気付けの1杯。朝酒飲むならこうでなくちゃ、という憧れの1杯であります。
●1963年東京生まれ。早大第二文学部卒。出版社勤務を経てフリーライターに。2002年仲間と共にミニコミ誌『酒とつまみ』を創刊。著書に『酒呑まれ』『多摩川飲み下り』(ちくま文庫)、『ぶらり昼酒・散歩酒』(光文社文庫)、『ぜんぜん酔ってません』『まだまだ酔ってません』『それでも酔ってません』小説『レモンサワー』(いずれも双葉文庫)、『五〇年酒場へ行こう』(新潮社)などがある。
※週刊ポスト2017年4月28日号