ライフ

「#東北でよかった」にツイッター利用者の良心を見た

福島県観音寺川の桜#東北でよかった(写真:アフロ)

「大震災が起きたのが東北でよかった」趣旨の発言をした今村復興相が事実上、更迭された。だが憤って当然の東北の人々は、あざやかな「大人力」で切り返してみせた。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が考える。

 * * *
 何とも呆れた発言であり、トホホな騒動でした。今村雅弘・前復興相が、25日夜の講演で東日本大震災について「まだ東北で、あっちの方だったからよかった」と発言。記者だけでなく自民党内からも厳しい批判を受け、その日のうちに辞意を固めました。今村氏は今月4日の記者会見でも、自主避難者について「本人の責任でしょう」と発言するなどして物議を醸しており、事実上の更迭と言われています。

 騒動の直後から、この「東北でよかった」発言が思わぬ方向に拡大。ツイッター上で「#東北でよかった」あるいは「#東北で良かった」というハッシュタグ(同じテーマの投稿を見つけやすくする仕組み)を付けて、たくさんの人が次々と、東北の美しい風景や東北での心温まるエピソードをツイートしています。

 ぜひ試しに、ツイッターで「#東北でよかった」を検索してみてください。今が盛りの美しい桜の写真、「祖父母が青森にいて、時々リンゴを送ってくれて、すごく美味しい!!」といった呟き、羽生結弦選手の写真と「この人が、東北の象徴です」というコメント……。東北愛に満ちた多くのツイートを見ていると、胸に熱いものがこみ上げてきます。ツイッター上には「こんなに泣けるハッシュタグは初めて」といった声も。

 今村元大臣の発言を受けて、自然発生的にこういう現象が起きていることは、近年まれに見る「いい話」と言っていいでしょう。東北の人たちは、失礼な暴言にもちろん腹が立ったはず。しかし、怒りをストレートにぶつけるのではなく、ユーモアを込めながら「東北でよかった」という言葉を逆手にとって、東北はこんなに素敵なところなんですよとアピールする──。その姿に、無限の大人力と懐の深さを感じずにはいられません。

 一連のツイートの中には「ひどい言葉を言われても、ひどい言葉で返さないで、何言ってんの、私たちの住む地の素晴らしさを知ってよって、みんなが笑う、そんな東北でよかった」というものもありました。この現象が起きていることの意味や心意気が、極めて的確に言い表わされています。

関連記事

トピックス

佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着を露出》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン
水原一平とAさん(球団公式カメラマンのジョン・スーフー氏のInstagramより)
「妻と会えない空白をギャンブルで埋めて…」激太りの水原一平が明かしていた“伴侶への想い” 誘惑の多い刑務所で自らを律する「妻との約束」
NEWSポストセブン
福井放送局時代から地元人気が高かった大谷舞風アナ(NHKの公式ホームページより)
《和久田麻由子アナが辿った“エースルート”を進む》NHK入局4年で東京に移動『おはよう日本』キャスターを務める大谷舞風アナにかかる期待
週刊ポスト
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
《豊田市19歳女性刺殺》「家族に紹介するほど自慢の彼女だったのに…」安藤陸人容疑者の祖母が30分間悲しみの激白「バイト先のスーパーで千愛礼さんと一緒だった」
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン