インタビューに答える申東旭氏


〈申氏は2008年に朴槿恵氏の妹の槿令(クンリョン)氏と結婚。妻よりも14歳若い夫だ。結婚当時すでに槿令氏は、姉の朴槿恵氏によって関係を断たれていた。崔父娘と姉の関係を危惧する槿令氏が疎んじられたからだ。2013年の姉の大統領就任式には、招待もされなかったという。それでも槿令氏と申氏の夫妻は、今も朴槿恵氏のことを庇い続けている。その申氏は、朴槿恵氏が弾劾まで追い詰められた背景には、親北朝鮮の左派勢力によって仕組まれたものだという。〉

 義姉は、金大中政権や盧武鉉政権の時代のような北朝鮮との対話路線と決別し、開城工業団地の閉鎖や2015年の南北軍事境界線での地雷爆発事件などで毅然とした対応をとってきました。

 北朝鮮は開城工業団地で獲得した外貨を核や弾道ミサイルの開発に投じていたわけですから、当然の対応ですが、これが許せなかったのでしょう。また、韓国で深刻な正社員と非正規社員の格差是正のために労働法改定に取り組みましたが、これが既得権益を守ろうとする労組との対立を招いたのです。

 つまり、義姉の追い落としということで、北朝鮮と国内の左派は共通の利害を持っていたわけです。両者は崔順実をめぐる噂話のたぐいを突破口に、連携してろうそく集会などで世論を誘導し、今回の弾劾につなげたと考えています。

 金大中・盧武鉉政権の10年間で国会や司法、軍、メディアに親北的な勢力が広く浸透したことも大きかったといえます。

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