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三田明 青春映画は青春謳歌できなかった若者のためのもの

三田明が16才でデビューした1960年代を回想

 現在放送中の連続テレビ小説『ひよっこ』で描かれている、高度経済成長で東海道新幹線が開通し、東京五輪が開催された1960年代。そんな時代の思い出を歌手で俳優の三田明(69才)が振り返る。

 * * *
 16才でデビューして、毎日が多忙でしたね。新曲を毎月のようにリリースし、4、5本同時に映画撮影が進むから、移動中に台本を読んで、せりふを覚えていました。何十年も経ってから、自分の出演映画を見たこともあるほどです。

 あの頃は郊外から東京に出てきて、就職する「集団就職」が盛んだった時代でした。中学を卒業したら都会に働きに出て、実家に仕送りするのが当たり前でした。だけど、本当はみんなは青春を謳歌したかった。その思いを、ぼくらが映画の中で叶えていたんです。だから当時の映画は、青春ものばかりでした。

 また、あの頃、地方に行くときは、夜行列車を利用してました。移動に1日かかることもありましたよ。地方公演の場合、1週間くらいスタッフさんやバンドさん、司会のかた、前唄の人たちと大勢で移動するから、遠足みたいで楽しかった。各駅に止まって、おいしい弁当を買って食べて、いろんな話をしました。

 便利でない部分が楽しかった時代です。今は交通機関が発達してるので、大抵日帰りで行くことになってしまいますから。

※女性セブン2017年5月11・18日号

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