◆「6年前のものですから」

 もっとも、なぜこのポスターが今話題になったのかについて、疑問が残る。というのも、このポスターが作成、配布されたのは6年も前のことだった。前出の神社本庁はこう説明している。

「平成23年に作ったものです。掲示はそれぞれの神社にお任せしていますが、このポスターは6年前のものですから、すでに使い切ったと考えています」(前出・教化広報センター)

 神社本庁で抱えている“在庫”もないという。問い合わせの多さに困惑している様子だった。

 もはやレアなポスターにもかかわらず、現在進行形であるかのような大騒動になったことについて、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏は、「一部の左翼的な人たちが騒いだから」と呆れるのだ。

「実は京都でも、今はそれほど貼られていないとも聞く。日本では日本人であることを誇ると『レイシスト(差別主義者)だ』と騒ぐ人がネットにはいますが、この騒動もその一環にすぎないのではないでしょうか。このポスターを『打倒安倍政権』の道具としてネットで問題にする人たちが、政治的な論調の仕掛人になってしまう状況はまずいと思います」(中川氏)

 6年前のポスターをめぐる、どこまでもおかしな大騒動である。

※週刊ポスト2017年5月26日号

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