「免許取得後、ある程度の期間MT車を運転していた中高年のドライバーなら、操作方法が体に染みついており、今でもMT車の運転に対応できる人が多いはず。にもかかわらず、そうした人々がAT車に乗り換えている状況は危ない」
それが「アクセル・ブレーキの踏み間違い」とともに高齢ドライバー事故の原因に多い「ギア操作ミス」につながっている可能性があるという。
モータージャーナリストの森口将之氏が語る。
「MT車に比べるとシフトチェンジの機会が少ないAT車は、ギアをどこに入れたかを忘れたり、誤ったギアに入れてしまうケースも少なくない。例えば駐車場でバックするつもりで『R』に入れていたはずなのに『D』に入っていて、急発進して人を轢いてしまったなどというケースです」
やはりここでも「操作が簡単」というAT車の最大の利点が、皮肉にも事故の遠因になっているようだ。
※週刊ポスト2017年5月26日号