研究により、心房細動起源の85%は肺静脈に存在することがわかっており、高周波カテーテルアブレーションの主な焼灼部位は肺静脈となっている。以前は、肺静脈内の心房細動起源を1つずつ焼灼する方法を取っていたが、心房細動起源を取り残すこともあったため、再発が多かった。また、心房細動起源が肺静脈内に複数存在するケースもある。
現在は、肺静脈の付け根を円周状に焼灼し、肺静脈を2本同時に隔離したり、4本すべてを隔離したりする、ボックス隔離法も行なわれるようになっている。
東京ハートリズムクリニックでは、高度な不整脈治療のために、ナビゲーションシステムなど最新の医療機器が導入されている。
例えば、磁場を使って特殊カテーテルの位置を3次元でモニターに表示し、心臓内の電気的情報も同時に入手できるCARTO(カルト)システム。これは心臓の中の解剖と、どこが傷んでいるのかを実物と1ミリメートル範囲の誤差で表示することが可能だ。
「心房細動の治療では、CARTOシステムで、患者さんの心房のカルトマップを作り、心房細動起源だけでなく、心房細動基質をも治療できるようになりました。これにより、治療の成功率が高まっています」(桑原院長)