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「もったいない」精神で生まれた板ガラスの硯 その試行錯誤

端材から生まれた、繊細で美しい“すみだモダン”

 コップや小物などのガラス製品は、原料となるガラスを溶かして作られる。だが、窓ガラスや鏡には、“板ガラス”という、加工したものが使われている。

「大きな板ガラスを、指定のサイズに合わせてカットして使うため、どうしても端材が出てしまいます。これらは、ほかに使い道がなければ産業廃棄物として、お金を払って廃棄しなければなりません」

 そう話すのは、『尾崎製鏡』(東京都墨田区)の代表・尾崎由雄さんだ。

 ガラスとして欠陥があるわけではないのに、ほかに使い道がないからと、繊細で美しい板ガラスを廃棄してしまうのはもったいない。そこで、これを利用して、何かを作れないかと考え生まれたのが、「板ガラスの硯」(6480円)だ。

「以前、油絵を描いていたときにガラスのパレットを使っていたことを思い出し、水彩絵の具で使うパレットを作れないかと思いました。しかし、絵の具を入れる窪み部分を複数作らねばならず、難しい。硯なら、海といわれる窪み部分(墨池)がひとつだけ。こちらの方が簡単だと思ったんです」(尾崎さん・以下同)

 とはいえ、墨をする“丘”といわれる部分から、海にむけての曲線や、海の深さ、墨がきちんとすれるようにする加工方法などで試行錯誤を繰り返し、3か月後に完成。

 墨をする部分は、研磨剤となる砂を吹きかけ、表面をすりガラスに削る“サンドブラスト技法”で加工。

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