国内

首相のトップダウン手法 自民党内の不満が謀反に向かうか

安倍一強体制に亀裂も?

 前川喜平・前文部科学事務次官は、いわゆる“加計疑惑”における記者会見で加計学園の獣医学部の新設問題で首相の意向が働いたのではないかという件に関し「総理のご意向」文書を本物と認めた。この文書は文科省中枢でやり取りされたとされる文書であり、5月17日の朝日新聞で報じられた。そしてその5日後、5月22日に前川氏は読売新聞から「前川前次官 出会い系バー通い」の見出しで報じられた。

 前川氏の実名証言が飛び出した直後は、野党が国会招致を求め、与党が拒否する構図になったが、国家戦略特区担当の地方創生相を務めた石破茂氏は「行政の公平性という観点からおかしい」と批判の声をあげている。自民党内が一枚岩でないとなれば、話は変わってくる。

 官邸もさすがに加計疑惑は形勢危うしと見ているようだ。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。

「安倍首相が突然、憲法9条改正をぶち上げた背景には、森友から加計と続く疑惑の連鎖から国民の目を反らそうという狙いがうかがえる。だが、こちらも安倍首相は9条2項の戦力不所持を廃止しないで3項に自衛隊を追加する案を読売紙上で表明し、党の方針を独断で変えたことに批判が強い。

 自民党議員たちから見ると、森友疑惑も加計疑惑も安倍首相のオウンゴールで党全体が批判を浴びている。そんな中、本人だけが安倍一強と思い込んで何でもトップダウンで党に方針を押し付けるやり方を続ければ、党内の不満はいずれ謀叛に向かうのではないか」

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン