芸能

刑事ドラマの警察監修担当、「3割のリアルを!」の姿勢

ドラマの「警察監修」の仕事を倉科孝靖氏が解説

 リアルな警察ドラマに欠かせないのが、「警察監修」の存在だ。時代劇に時代考証がいるように、地方ドラマに言葉指導がいるように、元警察官が監修するドラマが増えてきた。元警視庁捜査一課刑事が中心に集まる警察監修チーム『チーム五社』所属で、『緊急取調室』『警視庁捜査一課9係』シリーズ(テレビ朝日系)の監修を務める倉科孝靖さんに、警察監修の仕事を聞いた。

 * * *
 私が警察監修をするようになったのは、2012年の映画『臨場』です。撮影が始まる2か月前に、主演の内野聖陽さん(48才)はもちろん、松下由樹さん(48才)などのキャストさんに撮影所に来ていただいて、所作などの指導をしました。泊まり込みでやったので、今でも印象に残っています。内野さんは熱心で、私がたばこを吸っていると、スッと傍に来て、今の動きはどうだったのか、何度もアドバイスを求められました(笑い)。

 ドラマにかかわるのは、『緊急取調室』のように企画段階から呼ばれる場合もあれば、電話で意見を求められる場合もあります。

 ドラマ監修で大切にしていることは、口出しをしすぎないこと。リアルを求めすぎるとドラマとして面白くなくなってしまうし、手の内を明かしすぎると、犯罪を助長してしまうことになりかねません。防犯面でも、物語性でも、100%リアルな警察ドラマは作れないし、作ってはいけないんです。

 小物や衣装も、あえて、少しだけ変えていることがあります。たとえば、捜査一課の赤バッジの色は、本物より明るくしています。まったく同じにしてしまうと、軽犯罪法第一条15号に引っかかってしまうんです(笑い)。

 ですから、私の所属するチーム五社は、“刑事ドラマに3割のリアルを!”をコンセプトにしています。

※女性セブン2017年6月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン