北の威嚇に先立つ4月21日、政府は国民向けに〈弾道ミサイル落下時の行動について〉と題したマニュアルをインターネットの専用サイトで公表した。作成した内閣官房の事態対処・危機管理担当官が言う。
「4月以降、国民から“北朝鮮のミサイルが日本に着弾する場合はどこに逃げればいいのか”といった問い合わせが増えていた。国民不安を解消することが急務と考えて、マニュアルの作成・公表に至った」
ただし、ミサイルに搭載される弾頭の種類や着弾地点によって被害想定は変わってくるため、内容は基本的な対処法を記すのみとなっている。
例えば、北のミサイルが日本に着弾する可能性が高いと判明した時、〈(屋外にいれば)近くのできるだけ頑丈な建物や地下に避難する〉など、当たり前のことしか書かれていない。
一方で6月以降、山形県酒田市など3つの地方自治体が、弾道ミサイルの飛来を想定した住民避難訓練を行なう予定だ。
※週刊ポスト2017年6月16日号