近年、交流戦のたびに指摘されるのが「パ高セ低」だ。2005年の導入以来、過去12年間の通算成績はパの925勝821敗54分け。
プロ野球のデータに詳しいジャーナリストの広尾晃氏は「DH制があるため、強打者の多いチーム編成となるパが有利になりやすい。メジャーのインターリーグ(交流戦)でも、DH制のあるア・リーグが2730勝2434敗と大きく勝ち越している」と制度の違いに言及する。
その上で、巨人とパの上位球団の間には「育てる力」にも大きな差があると指摘した。
「ここ数年、巨人でチーム内から新戦力がほとんど出てこないのと対照的に、戦略的に厚い選手層を誇るのがソフトバンクです。
育成選手が23人もいて、二軍に上がるのも大変という状況を作り、競争を勝ち抜かせる。今季は2013年ドラフト4位、上林誠知(21)が一軍に定着し、打率.316、8本塁打と大活躍。それでも8番ライトの定位置を守るのに必死という状況に置かれ、ハングリー精神は失っていない。WBCでブレイクしたエースの千賀(滉大、24)も育成あがりです。
一方の巨人もソフトバンクを上回る育成選手を26人も抱えますが、結局、オフのたびにFAや外国人選手で補強してしまい、生きのいい若手が上がるチャンスが失われている」