◆太田よ、帰ってこい!
辛口評論で鳴らす江本孟紀氏が巨人の現状について指摘する。
「カネがありすぎるから、無駄使いばかりになるんじゃないですか。今季も30億円かけて補強したのに、全く戦力になっていない。
高橋(由伸)監督も気の毒だと思いますよ。結局、本気で若手を育てようとしたら、広島みたいに“20年くらい優勝できませんが、それでもいいですか?”というくらいの気構えが必要。巨人でそれは許されない。補強した大物が二軍に落ちた時だけ若手を使って、“すぐ結果を出せ”といっても、それは酷な話です。
阪神もよく似ていて、若手を使うのはベテランがガス欠でヘタってきた時くらい。金本(知憲)監督は超変革を掲げて頑張っているほうだとは思いますが」
阪神の場合、マスコミからもファンからも注目度が高いぶん、負けが込み始めると“我慢して若手を使う”という姿勢を貫きづらくなる。広島に首位を明け渡して交流戦開幕を迎えた金本監督も、シーズン前半にして正念場を迎えている。
セ・パの人気球団の間では、若手にとっての「土壌」が全く異なる。
象徴的なのは巨人の2008年ドラ1・大田泰示(26)だ。将来の4番候補と期待されながら、補強組とポジションを争う三塁や外野で定位置を掴めず、8年間でわずか9本塁打。それが昨オフにトレードで日本ハムに移籍すると、「失敗していいから思い切って振っていけ、という指導が肌に合った」(担当記者)といい、7番レフトでレギュラーに定着し、不調の主砲・中田翔(28)を上回る6本塁打を放っている。江本氏が続ける。