「池脇さんは僕というカメラマンに身を預けてくるタイプ。『どう撮られるのかわからないけど、ええい、行っちゃえ!』というエネルギーがぶつかってくる。池脇さんはどう撮られるかわからない、僕もどう撮るのかわからない、勝算も打算もないなかでピンと来たらシャッターを刻む。それくらいのほうが、いい写真が撮れるんです。僕はもともと撮影枚数が少ないので、あっという間に撮り終えてしまう。わからないまま撮っているときに、一番いい写真が撮れる気がします」
カメラマンにとって女性グラビアの撮影は、「恋」や「セックス」に喩えられることがある。しかし、藤代にとっては、そうではない。いうなれば出会いの瞬間を撮るのだ、という。
「その人と目が合った瞬間のピリッとする感じ。その1回しかないあの感じを撮りたい。そのあと何回か飲みに行ったり、つき合ったりするとなくなってしまう視線の絡み。僕の写真は、それなんです。初めて出会ったときのドキドキの感覚を撮りたい」
※週刊ポスト2017年6月16日号