「でも、今はナマをできるだけの体力があるし、ナマには適度な緊張感があってとっても体にいいんですよ。一度番組が始まれば、時間がくると必ず終わる。事前に準備さえしておけば、放送中にいくら失敗したとしても、なんとかなるもんです(笑い)。逆に録音は失敗が許されないし、録り直しもあって辛いですよ」

 語りだすと止まらないラジオへの熱い想い。いつまで生放送を続けるのかと問うと、冷静な答えが返ってきた。

「先のことはどうなるか分からないけど、あと4、5年じゃないでしょうか。不思議なもので、60代の頃はこんなことを思わなかったけれど、70代半ばになるとね。ま、呂律が回らなくなったら、『もう辞めなさい』と自分で自分を説得するでしょうね」

 ラジオを愛し、“ナマ”を大切にする生粋のラジオ小僧は、最後のその日まで全力で走り続ける。

●こばやし・かつや/1941年、広島県生まれ。小学生の頃からラジオの英語放送を聞き、独学で英語力を身に付けた。慶應大学在学中からガイドや司会の仕事を始め、29歳でラジオのDJに。1976年、音楽プロデューサー・桑原茂一とラジオ『スネークマンショー』を開始。現在も『FUNKY FRIDAY』(NACK5)や『ベストヒットUSA』(BS朝日)など、7本のレギュラー番組を持つ。

撮影■二石友希、取材・文■戸田梨恵

※週刊ポスト2017年6月16日号

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