また、同市とは違って、小さな町でも防空壕は整備されている。上海に近い浙江省温州市の川沿いに位置する龍港町には2013年以来、12か所の防空壕が建設され、住民1人当たり5平方mの面積となるという。
防空壕が整備されるのに伴い、防空訓練も活発になっており、5年間で7100万人が参加。日中戦争時代、旧日本軍から激しい攻撃を受けた南京市では、戦闘の規模などによって、数種類の空襲警報が用意されている。2011年の調査では空襲警報の種類を正確に答えられたのは全体の4割だったが、いまや98%に達したほどだ。
地域によっては、防空壕は夏の夕涼みの場所になっている。夏の暑さが厳しいことで知られる四川省の各都市や直轄市の重慶市では、防空壕で映画の映写会などの催しが開かれたり、食べ物の屋台が出たりと、市民サービスに使われている。また、北京では整備が進んでいる地下鉄も有事には防空壕に早変わりするといわれる。このため、ネット上では「習近平指導部は戦争に向けて着々と準備を進めているようだ」との書き込みがみられている。