小規模の飲食店では受動喫煙の防止策を徹底すると、客が減って収入が落ちるのではないかと心配しているようだが、WHOの調査では、逆の結果が出ている。完全禁煙を実施したら、むしろタバコを吸わない人たちや家族づれが安心して来るようになり、利用者が増えたという調査も出ている。

 日本は、WHOの「たばこ規制枠組条約」の締約国となっている。アメリカの半数以上の州や、カナダ、ロシア、オーストラリア、南米諸国、韓国などが、第8条の「飲食店等を含む屋内施設を完全禁煙化することによる受動喫煙の防止」をすでに実現している。日本は、世界でも遅れているのである。

 改正がん対策基本法では、患者が仕事を続けられるように、企業に配慮を求める施策がつくられた。当然、がん患者が安心して働けるように、きちんと受動喫煙を防止することは必須である。

 本当は「あなたこそ働かなくていい」とヤジりたい気持ちを抑え、大西議員が額に汗して働くべきことは、自民党の先頭を走って、病気のために仕事を続けられなくなったがん患者が安心して働けるような社会にすることである。それが、国民全体のためにも働いたことになるはずだ。

※週刊ポスト2017年6月23日号

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