ブルゾンちえみさんの濃いメイクと「35億」、サンシャイン池崎さんのタンクトップ+ハチマキと「イエエエ~イ」「ジャスティス」、平野ノラさんの肩パットジャケット+ソバージュと「OKバブリー」「しもしも」を見れば分かるように、最大の特徴はインパクト十分のルックスと決めゼリフ。ただ、これだけなら典型的な一発屋になってしまいます。
ナベプロのピン芸人が一発屋で終わらないのは、「にじみ出るような人の良さを感じさせる」から。思いも寄らないボケで爆笑を狙うのではなく、身の丈をわきまえた定番ギャグに徹するため、視聴者から見たら「安心・安定」、番組制作サイドから見たら「番組の流れを邪魔せず計算できる」存在なのです。
また、人をおとしめるようなネタやコメントはせず、下ネタを使わないため、視聴率獲得のためにファミリー層を狙うテレビ番組との相性は抜群。元気で明るいイメージもあり、強いツッコミを受けてもイジメられているような印象を与えずに済みます。そのため、常に新しいものを求めるネットユーザーよりも、分かりやすい笑いを求めるテレビ視聴者のほうが評価は高いと言えるでしょう。
人の良さを感じさせる芸風は、先輩の中山秀征さん、恵俊彰さん、ネプチューン、ビビる大木さんらを見ても一目瞭然。話術とコンビ芸が武器のよしもと、職人的な佇まいの人力舎、コメントの切れ味で勝負する太田プロなど、芸人らしさを前面に出す他事務所とは真逆のベクトルです。
◆早期ブレイクを狙う“促成栽培”