──それはどうか。ガソリン国会の時のように院内でピケを張ったりすれば、国民に冷ややかな視線で見られるだけではないか。
小沢:違います。政権と一体となったメディアが国民にそう思い込ませようとしているだけだ。ガソリン国会では野党がとことん騒いだからメディアが報道し、国民に野党の主張が伝わった。今回の共謀罪だって、野党がもっと騒いで委員会で採決させずに国会を止めていれば、国民は「野党は何を騒いでるんだ?」となる。野党は人数が少ないから、国民に知らせるために多少荒っぽいやり方は仕方がない。
野党がそういう空気に萎縮して騒ごうとせず、形式的に反対してもすぐに引き下がるなら、政権にとってこれほど都合がいい状況はない。
──「反対ばかりするな」と批判されるのを恐れて「建設的野党」になろうとしている。
小沢:法案を作る役人はあらかじめ修正の“のりしろ”を考えて提出しているから、野党が修正協議に乗ってくればしめたもの。本来、野党は対案を出さなくても困らない。堂々と「基本的な考え方が違うから、政府の法案に沿った対案なんかない」と言えばいい。
※週刊ポスト2017年6月30日号