天皇の生前退位にともなう「新元号」とともに注目を集めているのは、上皇・上皇后と呼称が変わる天皇・皇后の「住居」だ。宮内庁担当記者がいう。
「両陛下は退位後、皇太子一家が現在住まわれている東京・赤坂の東宮御所に移られる案が有力です。その際の名称は『仙洞御所』となる予定です」
だが、まだ諦めていないのが京都市だ。特例法成立を受け、京都市の門川大作・市長は6月12日の定例記者会見で「上皇となる天皇陛下にできるだけ長く京都に滞在していただくことを以前から念願している」と語った。同市は2013年5月から、将来的な皇族の京都在住や一部皇室行事の京都開催を目指す「双京構想」を掲げており、会見では改めて国へ要望する考えも示した。
すると対抗するかのように、14日には奈良県の荒井正吾知事も「神武天皇以来ゆかりある父祖の地で心身を休めていただけるよう貢献できれば」と退位後に過ごされる離宮建設プランを語った。今後も上皇の〝招致〟を巡る古都の争いは続きそうな気配だ。